Project/Area Number |
22K20542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0501:Physical chemistry, functional solid state chemistry, organic chemistry, polymers, organic materials, biomolecular chemistry, and related fields
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡部 康羽 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 研究員 (60965630)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | クモ / スピドロイン / マルチオミクス解析 / 分子シミュレーション / バイオポリマー / クモ糸 |
Outline of Research at the Start |
クモ糸は優れた力学特性を持つだけでなく、生分解が可能であることから、環境にも負荷の少ないバイオポリマーとして期待されている。しかし、クモは飼育が困難であり、人工クモ糸は天然クモ糸に比べて力学特性に劣る課題がある。そこで、人工クモ糸の力学特性を向上させるために、天然クモ糸に微妙に含まれるタンパク質 (微量添加剤)に注目した。先行研究では1wt%の微量添加剤を人工クモ糸に混ぜることで、強度が2倍に増加することが知られている。本研究は強度の向上に関わる微量添加剤の新規探索を行い、人工クモ糸で物性評価を行う。また、微量添加剤が強度を向上させるメカニズムを実験と解析の両側面から明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
クモの中でも円網を造網する円網種は7種類の糸を使い分けることが知られている。その中でもクモがぶら下がる際に使用する牽引糸は鋼鉄に匹敵する強度とナイロンに匹敵する伸縮性を兼ね備えた天然最強素材であることが知られている。また、クモの糸はタンパク質で構成されているため、再生・生分解可能な素材であり、環境問題の解決にも注目されている。牽引糸の主成分は長らく2種類のスピドロインで構成されていると考えられていたが、近年では新たなパラログやわ ずか1wt%添加するだけで強度を2倍向上させる天然添加剤 (spider silk-constituting element, SpiCE)が発見されている。 本研究では(1) SpiCEの探索、(2) 人工シルクフィルムによる力学特性の検証、(3) シミュレーション解析によるスピドロインとSpiCEの組み合わせのスクリーニングを予定している。令和4年度は研究費交付時点でコガネクモ上科の4種をサンプリングの時期が過ぎていたことから、当初の計画通り3つの項目に関する予備実験を進めた。(1) SpiCEの探索にはマルチオミクス解析技術を習得する必要があるため、同じクモガタ綱で糸関連遺伝子が解析されていないイソカニムシを用いて一連の流れを学んだ。(2) 人工シルクフィルム実験で用いられているスピドロイン (MaSp2)を用いた引張試験の再現実験に成功し、SpiCEの抽出、精製を進めた。(3) シミュレーション解析ではMaterials studioを用いてSpiCEを保有するジョロウグモの牽引糸のモデルの作成に成功し、引張試験による力学特性の検証を行った。今後は実際にコガネクモ上科の4種をサンプリングして研究を進める予定であったが、研究代表者が令和4年度より日本学術振興会の特別研究員(PD)へ採用となったため、本年度での事業廃止申請を行った。
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