Project/Area Number |
22K20586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0602:Agricultural and environmental biology and related fields
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
根岸 克弥 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 研究員 (50964003)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ゲノム編集 / リンゴ / CRISPR/Cas9 / 果樹 |
Outline of Research at the Start |
ゲノム編集技術CRISPR/Cas9をリンゴで使う場合、現在の手法では個体の一部細胞にしか変異が導入されない、作出した個体が遺伝子組換え体となる、といった問題がありリンゴでは実用的な利用が困難である。本研究では、外来DNAを含まないゲノム編集リンゴ作出のための基盤技術の確立を目的として、再分化を促進する因子を利用した効率的なゲノム編集個体の作出・選抜系の開発や、ゲノムに組み込まれない環状化DNAを利用したゲノム編集技術をリンゴで確立することで、問題の解決目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでのリンゴでのゲノム編集技術は遺伝子組換えを必要とするが、リンゴはゲノムのヘテロ接合度が高く、また自家不和合性があるために、導入された外来DNAのみを交雑により除くことが困難である。そのため、既存の品種にゲノム編集による有用な形質を付与するためには、遺伝子組み換えを必要としないリンゴのゲノム編集系が必要である。 本年度は、ジェミニウイルス由来の配列を用いて植物細胞内で自己複製する環状化DNA(レプリコン)を作成して、レプリコン上にゲノム編集酵素の発現系を搭載した一過的なDNAベクター導入によるリンゴのゲノム編集系の作出を目指した。 昨年度までの研究から、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9に必要なCas9とsgRNAの発現系を含む一体型ベクターでは、レプリコンの合成の効率が低くゲノム編集による変異が確認できず、その原因としてベクターサイズの大きさが考えられた。そのため、本年度はCas9、sgRNA、レプリコン合成に必要なRep/RepAの3つの要素を、それぞれ異なるベクターに搭載することで、ベクターサイズを小型化した。 ゲノム編集の可否を可視化する蛍光タンパク質のレポーターを作出して、上記のベクターを含めてシロイヌナズナのプロトプラストに導入したところ、Rep/RepAによりレプリコン合成が誘導された際に、ゲノム編集の効率が向上することが示され、本研究で開発した小型のベクターが有効に機能していることが示唆された。続いて、これらのベクターをリンゴの葉に導入して、リンゴゲノム中の複数の標的遺伝子に変異が導入できることを示した。 これらの結果から本研究で開発した系を用いることで、DNAベクターを用いた一過的な遺伝子発現系でもリンゴのゲノム編集が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環状化して自己複製するDNAベクターを小型化することで、リンゴの内在DNAに変異を導入することに成功しており、遺伝子組換え不要のゲノム編集技術開発に向けて進展している。 再分化促進因子については、上記のDNAベクターと組み合わせることで一過的な発現による効果が検証可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子発現量の向上や変異導入効率など、レプリコンの効果の検証を勧めており、本年度中にこれらの成果について学術論文での公表を目指す。
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