Project/Area Number |
22K20593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0603:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山村 正臣 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (00948367)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 心材形成 / 遺伝子発現 / 心材成分 / ノルリグナン / スギ |
Outline of Research at the Start |
針葉樹心材ノルリグナン類は心材部における抗菌活性成分であるとともに、スギ黒心問題の原因物質でもあることも知られている。心材形成と連動して心材ノルリグナン類が蓄積することから、心材ノルリグナン生合成機構の解明が、心材形成機構解明の緒となると期待されている。将来的な心材形成関連遺伝子群の全貌解明、黒心問題の解決、高耐朽性木材を産生する植物の育種に向けた基礎研究として、本研究では心材形成時の遺伝子発現の網羅解析により、針葉樹心材ノルリグナン生合成遺伝子をスギから初めて同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、(1)スギ材からのタンパク質およびRNA調製、(2)スギカルスの作成、について実施した。 (1)スギ材からのタンパク質およびRNA調製:本研究では針葉樹の心材部に特異的に蓄積するノルリグナン類の生合成に関わる遺伝子を見出すことを目的としているが、特に、心材などの部位は死んだ組織として知られるように、生命活動のない部位から如何にしてタンパク質や遺伝子(RNA)を抽出するかが本研究の重要なポイントとなる。2022年度は、樹木の伐採後から微細粉末を調製するまで一貫して低温を維持しつつ各工程を処理することにより、心材を含むすべての木材部位から酵素活性測定に足るタンパク質を得ることが可能であることを明らかにした。一方、RNAの調製については、簡易キットにより得られるRNA量はごく僅かであり、外部委託による遺伝子発現解析で求められているRNAサンプルの基準をクリアしたRNAを得ることができないことを明らかにし、他の手法でのRNA調製が必要であることを確認した。 (2)スギカルスの作成:2022年度はスギの種子を無菌的に発芽させ、根・茎・葉などから専用の培地にてカルスの作成を試み、いずれの部位からもカルス作成に成功した。スギカルスは適切な培養条件下では、スギ心材と同様にノルリグナンの生合成を行う。そのため、スギ材に加えスギカルスも試料として扱うことで、より多くの情報を得ることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年の研究活動スタートアップ支援の開始から半年のみという短期間ということもあり、若干多くの内容を1年目に計画しすぎたと考えられる。 スギ材のRNAの調製については、数種の簡易キットでRNA抽出を試みたが、そもそもこれら簡易キットは木材からのRNA抽出を想定していないということで、量・質ともに期待するRNAサンプルが得られなかったため、条件検討に時間を費やし、遅れが生じた。 また、スギのカルス作成には2022度成功したが、スギのカルスは非常に増殖速度が遅いことから、植物試料として利用するまでにはまだ達していないことも遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、既報を参考に木材試料からのRNA抽出を実施し、得られたRNAを外部委託にて遺伝子発現解析する。また、RNA抽出に用いた植物試料と同一の各試料を使用し、標的物質である(E)-ヒノキレジノールの合成酵素活性を測定する。この酵素活性の情報をもとにした相関解析により、標的の遺伝子配列を絞り込む。絞り込んだ遺伝子のうち、相関係数の高い遺伝子配列から大腸菌を用いて組換えタンパク質を調製し、機能同定を実施する。
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