Project/Area Number |
22K20708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0801:Pharmaceutical sciences and related fields
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大原 正裕 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (30964936)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 核酸医薬 / 高比重 / ドラッグデリバリー / 中枢神経疾患 |
Outline of Research at the Start |
核酸医薬は細胞内のRNAを標的にできる有望なバイオ医薬であるが、中枢神経を標的とした医薬品の開発には至っていないのが現状である。その最大の原因は、髄腔内投与した薬剤を脳の深部へ効果的に運ぶことができないことにより、有効性が不十分であることが挙げられる。今回、臨床現場で行われている脳槽造影やミエログラフィーに着想を得て、高比重の核酸医薬化合物を髄腔内投与後、頭位を低くすることで脳移行が改善すると考えた。この研究では、比重を調整することで、髄腔内投与で脳深部のRNA抑制効果を増強する核酸医薬化合物の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
高比重の溶媒をアンチセンス核酸と髄腔内に共投与したのち、低頭位を取ることで脳内での遺伝子抑制効果が向上することをin vivo実験において再現性を持って検証した。さらに、蛍光標識したアンチセンス核酸を用いて、高比重の溶媒の有無で、髄腔内投与後の頭部への蛍光色素の集積をin vivo imaging systemを用いて評価したところ、高比重溶媒を共投与した個体で脳への集積が強い傾向が見られた。また、低頭位の体位について検討を行い、仰臥位では脳の皮質、腹臥位では脳底部において遺伝子抑制効果が優れている傾向があり、比重によってアンチセンス核酸が分布していることを示唆する結果であった。しかし、比重の異なる二種類の溶媒をアンチセンス核酸と共投与したが、比重による遺伝子抑制効果の明らかな差異は見られなかった。 高比重の溶媒による浸透圧の変化により、脳へのアンチセンス核酸の移行が向上した可能性を考え、アンチセンス核酸と高比重の溶媒をマウスの脳室に共投与し、遺伝子抑制効果を評価した。その結果、アンチセンス核酸単独と比較して、アンチセンス核酸と高比重溶媒の共投与では有効性の変化は見られなかった。このことから、髄腔内投与での有効性向上は、確かに高比重化合物による頭部へのデリバリー改善によるものであることが示唆された。 また、高比重化合物を髄腔内に投与することによる毒性について、行動異常や体重減少などの中枢毒性や組織学的評価を行ったが、明らかな異常所見は見られなかった。
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