新しい解析手法を用いたマルチオミクス解析による知的障害/発達遅滞発症機序の解明
Project/Area Number |
22K20852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0902:General internal medicine and related fields
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平出 拓也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70783447)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マルチオミクス解析 / ゲノム解析 / RNA解析 / AI |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、エクソーム解析にて原因を同定できなかった知的障害/発達遅滞患者における新しい疾患発症機序を明らかにすることで、患者管理や遺伝カウンセリングに貢献することである。網羅的遺伝学的解析において、様々な最先端のインフォマティクス解析や機械学習を導入したマルチオミクス解析を行い、膨大なバリアントのフィルタリングや解釈を行う。特に、病的なレトロトランスポゾン挿入やリピート配列伸長を含めたゲノム異常の網羅的検出に挑戦する。更に、RNA解析の検体として尿由来細胞を用いるという新しい取り組みにより、小児神経疾患の新たな遺伝子解析スキームの確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
知的障害/発達遅滞発症の症例10症例に対し、患者末梢血DNAを用いゲノム解析を行った。AIによるスプライシング予測プログラムを利用してバリアントの絞り込みを行った。患者の臨床症状をHPO(Human Phenotype Ontology)を用いて疾患原因遺伝子をスコアリングし、疾患と関連が高い候補遺伝子を抽出した。尿検体を得られた症例においては、尿由来細胞のRNA解析を解析におけるバリアント解釈に利用した。これらの解析方法は、膨大なゲノム解析データの解析に非常に役にたった。ゲノム解析とRNA解析によるマルチオミクス解析の結果、知的障害と脳形成異常を伴う症例において、イントロンにレトロトランスポゾンが挿入され、スプライシング異常が起きている可能性が考慮される症例を同定した。ショートリード シークエンサーでは挿入の全域を明らかにすることができず、ロングPCRでも増幅困難な領域であった。そのため、ロングリードシークエンサーであるナノポアシークエンサーを用いたゲノム解析を行った。その結果、イントロンにおけるレトロトランスポゾン挿入が疾患原因になることを解明することができた。別の知的障害/発達遅滞発症の症例において、inverted duplicationが起きていて疾患原因になっている可能性が示唆された症例にもロングリードシークエンサーを用いた解析を行った。解析を行うことができたが、予想されたinverted duplicationはなかった。ゲノム解析とRNA解析によるマルチオミクス解析だけでなくロングリードシークエンスの有用性も明らかにすることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)