Project/Area Number |
22K20981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0906:Surgery related to the biological and sensory functions and related fields
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤田 直輝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40963707)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 神経保護 / ペマフィブラート / PPARαアゴニスト / 網膜神経節細胞 |
Outline of Research at the Start |
現在、我が国における中途失明の主要な原因は緑内障と糖尿病網膜症である。いずれにおいても網膜神経節細胞とその軸索である網膜神経線維が障害されるが、現存の治療法には限界がある。近年、脂質代謝治療薬であるPPARαアゴニストが糖尿病網膜症の進行を抑制することが報告されたが、その明確な機序については不明である。本研究では、緑内障および網膜神経節細胞障害のモデルラットを用いて、PPARαアゴニストが抗アポトーシス効果を発揮する詳細な分子制御機構を解明する。本研究成果は、網膜神経節細胞障害を原因とする疾患に対する新しい治療戦略開発の糸口となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではPPARαアゴニストの網膜神経節細胞および視神経軸索障害に対する抑制効果の分子機構の解明を目的としている。 現在わが国での中途失明の原因は緑内障と糖尿病網膜症を合わせると約半数を占め、いずれも網膜神経節細胞死を生じる。既存の治療法では症状の進行抑制に限界があり、細胞死を抑制する新たな治療法の開発が求められている。 これまでに研究代表者は網膜神経節細胞障害モデルラットに対して選択的PPARαアゴニストであるペマフィブラートの内服が抗アポトーシス効果を示すことを発見している。糖尿病網膜症や緑内障でも障害される網膜神経節細胞に対するアポトーシス抑制は今後の神経保護治療開発への糸口となり得る。加えてペマフィブラートは他のフィブラート系の薬剤と異なり肝排泄であるため糖尿病患者で合併が懸念される腎機能障害患者への投与も行いやすい。 これまでの研究ではペマフィブラートによって転写因子c-Junのリン酸化が抑制されていることが分かっている。c-Junは細胞外から核内へのシグナル伝達経路であるMAPK経路の一つであるJNK経路に属しており様々なストレス反応でリン酸化され細胞死への誘導に関与している。この経路での詳細な分子機構の解明を現在進めている。 今回の研究において、現在までに視神経軸索障害モデルである高眼圧モデルラットでの視神経軸索数の減少がペマフィブラート内服によって有意に抑制されることが確認できた。今回の実験では網膜神経節細胞障害モデルと異なり神経軸索自体への影響を調べており、分子機構もc-JunをはじめとしたMAPK経路以外での変化もないか様々な分子機構への影響に関して現在機序解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分子制御機構において一貫した傾向は認められるものの、明確な有意差を持った結果を得られていない。アポトーシスに関わる分子機構が多岐にわたるため当初想定していた機序以外の要因も推定される。 加えて高眼圧群の作成に時間がかかること、1個体から得られるサンプル量が少ないこともあり未だ明確な分子機構の解明は至っていない。 現在は分子制御機構に関するある因子の上流・下流の分子の動きを確認し、また再現性を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は高眼圧モデルラットでの対照群と比較した視神経および網膜における特定の分子の変化を調べ、またその上流・下流に位置する分子の動きも確認している。 今後は対応する分子についてサンプル数の最適化を行い有意差の評価を行う。また、再現性の評価も行っていく。 加えて免疫学的染色を行い特定の分子の組織内での局在を調べていく。
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