Project/Area Number |
22K21145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0908:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
細田・アーバン 珠希 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20965149)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | トラウマ / トラウマインフォームドケア / TIC / 医療 / 心的外傷後ストレス障害 / バーンアウト / 効果測定 / プログラム開発 / 医療従事者 / 研修 |
Outline of Research at the Start |
トラウマ体験は多様な心身の疾患や症状を引き起こすと同時に、患者の治療意欲や疾病管理行動(食事や服薬の管理等)にも影響する。そのため、早期に患者のトラウマによる影響に気づき、トラウマインフォームドケア(TIC)を実践することが重要である。TICとは、トラウマが個人に及ぼし得る影響を理解し、当事者とケア提供者両者のメンタルヘルスを大事にしながらサービスを提供するアプローチを指す。しかし、わが国の医療ではTICが浸透しているとは言い難い。そこで、本研究は医療従事者を対象とし、①「TICの知識と理解」の実態把握、②TIC研修プログラムの開発、③開発したTIC研修プログラムの効果測定、を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
世界の約7割、日本でも約6割の人が小児期に児童虐待、家庭内暴力、家族の薬物使用といったトラウマ的体験や逆境体験(Adverse Childhood Experience: ACE)を経験しているという。このような体験は、心身及び脳の発達に長期にわたって深刻な影響を及ぼし、さまざまな種類の精神症状や身体疾患の発症リスクを増大させることが示されている。このように、トラウマ的体験が一般的であり、その影響が深刻であるとの認識が広まるにつれて、トラウマインフォームドケア(Trauma Informed Care: TIC)の重要性が強調されるようになった。TICとは、被支援者がトラウマの影響を受けている可能性を前提に、回復をサポートし、被支援者とケア提供者両者のメンタルヘルスを重要視しながらサービスを提供するアプローチである。西欧諸国、特にアメリカでは、TICはさまざまな領域で浸透しており、医療においてもその重要性が次第に認識されつつある。一方、日本の医療現場においてTICの普及が進んでいるとは言い難い。本研究は、医療従事者によるTICの知識と理解の実態を把握し、TIC研修プログラムの開発および効果測定を目的としている。これまでの研究成果として、所属機関による倫理審査の承認を得た。また、文献研究やアメリカでの調査を通じて、TICの実践および普及状況について学んだ。特にアメリカにおいては、医療分野で働く心理職への取材や多職種連携チームミーティングへの参加を通して、医療がどのように福祉、司法、教育と連携しながらトラウマに影響を受けた人々への支援を行なっているか、多領域・多職種連携体制の中でTICの知識がどのように役立っているかについて事例を通じて知見を深めた。さらに、日本の専門家との交流も行い、知見を深めた。この成果について、現在論文化を行なっている。また、研修プログラムの改良を目的とし、得られた情報をもとに研修プログラムを開発し、試験的に実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研修プログラムの試験的施行を行っている。進捗には若干の遅れが生じているが、所属機関による倫理審査の承認を得ており、プログラム開発はおおむね順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研修プログラムの改良を行う。研修プログラムの開発後には、研修を提供するに当たっての詳細(実施方法、研究参加者の募集方法等)を決定し、研究参加者を募集し、研修を実施する。また、研修プログラムの効果測定のために、事前、事後、フォローアップにおけるデータを収集し、収集したデータの統計分析を行う予定である。
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