Project/Area Number |
22K21248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0909:Sports sciences, physical education, health sciences, and related fields
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中村 美幸 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (80961797)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 運動 / 情動記憶 / 忘却 / fMRI |
Outline of Research at the Start |
うつ病の発症には、ネガティブな事象を必要以上に記憶する「記憶バイアス」が生じることから、記憶バイアスが生じないよう上手く情動記憶を忘却することが、うつ病を予防する鍵となる。これまで申請者は、一過性の高強度運動が情動記憶を忘却させる可能性があることを確認した。しかし、情動記憶の忘却は運動強度依存的に変化する可能性があり、忘却効果を生む至適運動強度の特定とその神経メカニズムの解明には至らなかった。そこで本研究は、忘却に関与する脳領域に着目し、一過性運動による情動記憶の忘却効果を生み出す神経メカニズムを解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、うつ病や不安障害、心的外傷後ストレス障害の発症や重症化につながる、「記憶バイアス」(ネガティブな事象を必要以上に記憶してしまう認知の歪み)を運動で忘却させることを目標として研究を実施してきた。これまで申請者は、一過性の高強度運動が情動記憶を低減させる可能性があることを確認した。しかし、情動記憶の忘却は運動強度依存的に変化する可能性があり、忘却効果を生む指摘運動強度の特定とその神経メカニズムの解明には至らなかった。 これまでの研究を踏まえて本研究では、研究1では情動記憶の忘却に対する運動強度依存的変化と性差を検討すること、研究2では情動記憶を忘却させる一過性運動の神経メカニズムを解明することを目的として研究を進めてきた。 研究1では、異なる強度(安静条件、低強度運動条件、高強度運動条件)の一過性運動が情動記憶に及ぼす影響を性差を踏まえて検証した。その結果、一過性の低強度運動では男女共に変化が認められなかった。一方で、一過性の高強度運動では、男性は情動記憶に変化が認められなかったものの、女性において情動記憶が低下することが明らかとなった。すなわち、一過性運動による情動記憶への影響には性差があり、運動強度によっても情動記憶への影響が異なる可能性が示唆された。 研究1の結果から、研究2の情動記憶を忘却させる一過性運動の神経メカニズムを解明することを目的として研究を進める前に、運動強度依存的に記憶に関連する脳の神経メカニズム(脳機能的結合)を解明する必要性が出てきたため、本年度は、fMRIを用いて、異なる強度(安静条件、低強度運動条件、高強度運動条件)の一過性運動が記憶に関連する脳の機能的接続性を検証する実験を実施した。 上記の実験は、予備実験と共に本実験を実施することができ、データを得ることができたことから、今後は研究データの解析に加えて研究2を実施遂行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究1の研究成果を学会発表に加えて、国際誌への成果報告ができたことから概ね順調に進めることができている。しかし、運動強度依存的に記憶を司る脳機能が変化するか否かを明らかにする必要があるため、今後さらに研究協力者を募り、追加実験に加えて研究2の実験を計画通り進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記に記したように、これまで取り組んできた研究1の結果から、研究2の情動記憶を忘却させる一過性運動の神経メカニズムを解明することを目的として研究を進める前に、実験を追加する必要性が出てきた。 具体的には、運動強度依存的に記憶に関連する脳の神経メカニズム(脳機能的結合)が変化するか否かを検証することである。現在、上記の追加実験の本実験を実施し、データを取得できたことから、本年度は、追加実験のデータ解析とともに、予定していた研究2を実施し、最終的な目標の達成と研究成果の公表に努める。
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