Project/Area Number |
22KF0040
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Project/Area Number (Other) |
22F22710 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
淡路 智 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10222770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZAMPA ALEXANDRE 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 高温超伝導マグネット / 強磁場 / 安定性 |
Outline of Research at the Start |
東北大金研で進行中である33T無冷媒超伝導磁石開発プロジェクトで重要となる、希土類系超伝導(REBCO)テープの熱的安定性とクエンチ特性の理解を目的とする。ここでは、2枚バンドルしたREBCOテープを採用している。これによって局所劣化や臨界電流密度の不均一性による焼損を回避しコイルを保護する。本研究では、2枚バンドルした場合の発生磁場の安定性からテープ間結合とテープ内の遮蔽電流の影響を詳細に測定することで、それらの影響を調査し、測定したテープ臨界電流密度特性に基づいたクエンチ挙動シミュレーション等に反映することにより、2枚バンドルコイルの保護方法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
希土類系高温超伝導(REBa2Cu3O7, REは希土類またはY:REBCO)テープは、高い磁場中臨界電流密度と強い機械的強度を有することから、これまで超伝導では不可能であった23Tを超える強磁場磁石開発が進んでいる。さらに、近年では強磁場高温超伝導磁石を採用した、小型核融合、高分解能核磁気共鳴(NMR)、高エネルギー物理用次世代円形加速器、医療用小型加速器など多くの次世代超伝導応用開発も世界中で活発に行われ、強磁場磁石はその重要なキーコンポーネントと認識されている。一方で、REBCOテープは、高い電磁力による局所劣化や臨界電流密度の不均一性による局所的常伝導領域による焼損が問題となっており、その保護が重要となる。本研究の目的は、東北大金研で進行中である33T無冷媒超伝導磁石開発プロジェクトで重要となるREBCOテープの熱的安定性とクエンチ特性の理解である。2022年度に作製した20積層大規模テストコイルで25 Tの強磁場発生に成功したが、本研究では、我々が提案しているREBCOロバストコイル構造において、2枚の超伝導テープ間結合電流と、テープ内遮蔽電流の影響や、コイルの常伝導転移による熱的安定性などについて詳細に検討した。結合電流と遮蔽電流はそれぞれ反対の磁場誤差を発生させ、その時定数が大きく異なることが分かった。さらに世界的に問題となっている遮蔽電流誘起応力が、ロバスト構造では大きく抑制できることが実験的に明らかとなったので、そのシミュレーションを進めている。また、コイルとして常伝導抵抗が発生する状況までの通電を行うことでその熱的安定性の評価や、クエンチを想定した高速減磁時による結合電流への影響なども調べることができた。提案しているロバスト構造が十分に機能し、局所劣化や電磁力に強く、安定性に優れ、クエンチ保護が可能であることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実機と同じ径で高さが1/5の大規模コイルで25Tの磁場発生に成功した。これは金研で稼働している25T無冷媒超伝導マグネットと同等の磁場であり、重要なマイルストーンとなる。同コイルを用いて、伝導冷却下で運転温度を変化させて、長時間にわたる緩和測定を実施することで、その詳細挙動の実験的検証を長期にわたって様々な観点で実験を行った。その結果、想定していた遮蔽電流と結合電流の振る舞いが明らかとなったことに加え、遮蔽電流誘起応力についても大幅な抑制効果が得られること、クエンチ試験を条件を変えて複数回実施することでクエンチ特性の理解と保護方法について目処が立ったこと、熱的安定性の理解が進んだことなど想定以上の成果が得られた。これらの成果は順次学会発表と論文発表を予定しており、すでに論文5編、国際会議発表件の実績がある。
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Strategy for Future Research Activity |
残り半年で、実験結果の更なる解析とシミュレーションを実施すると共に、成果発表を随時行う予定である。
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