Radical COF: A challenge toward novel organic electromagnetic polymer materials
Project/Area Number |
22KF0231
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Project/Area Number (Other) |
22F32045 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関 修平 京都大学, 工学研究科, 教授 (30273709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAITANDI RAJENDRA 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2024: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Redox active Framework / COF / 光伝導度 / 電子伝導度 / スピントロニクス / プロトン伝導度 / 水素発生反応 / ラジカル / 励起移動 / 電子輸送 / 構造ゆらぎ / 電子共役 / スピン輸送 |
Outline of Research at the Start |
発達した2次元共役電子系を有する共有結合性構造体:COFを,共役電子系の基底状態における安定構造制御のための理想的なプラットフォームととらえ,2次元電子共役構造中の電子の局在・非局在を見極める.化学的安定性・多孔性などのいわゆるCOFの一般的な優位性とは全く逆の観点から本研究を実施し,励起エネルギー・電子が共役フレームを介してどのように輸送されるのか?,輸送現象を最適化するために最も重要な構造因子は何か?,電子の非局在化させるだけではなく,共役フレームを最近接させつつ,電子の軌道角運動量輸送に重要なスピン軌道相互作用の最小化において最も適した構造は何か?を追求する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究「ラジカルCOF: あたらしい有機電子-磁性材料への挑戦」では,発達した2次元共役電子系を有する共有結合性構造体:COFを,共役電子系の基底状態における安定構造制御のための理想的なプラットフォームととらえ,2次元電子共役構造中の電子の局在・非局在を見極めることを目的とした研究を展開している. 課題1)励起エネルギー・電子の輸送素過程,課題2)輸送現象の最適化のための構造因子,課題3)電子の非局在化させるだけではなく,共役フレームを最近接させつつ,電子の軌道角運動量輸送に重要なスピン軌道相互作用制御適,を挙げ,2023年度は課題1)~3)を包括的に展開した.化学的に安定なVerdazylphenylamineをCOF構成要素中の電子ドナーとして設計し,電子供与型triazine aldehydeと組み合わせ,Schiff塩基縮合反応によりフレーム内D-A構造を有するC3対称性COF(VZCOF1)の合成に成功した.安定ラジカル構造を定量的にフレーム内に包含するCOF構造としては極めてまれで,その高い立体規則性積層構造の形成が確認されている.従来の不対電子を有する安定COF形成法はその多くが形成されたCOF規則性内壁構造を化学修飾することによって得られており,これらとは完全に異なるCOF構造形成反応の提案となった.すでに不対電子に由来する電子常磁性共鳴計測の予備的な知見は得られており,今後このラジカル構造に由来する電子物性ならびに化学構造変調に着手する. 加えて,半導体性COF規則構造中のマイクロ波伝導度測定法による電子輸送特性の定量評価に関する国際共同研究に参画し,アントラセン構造をフレームに有するヒドロキシ基含有 1,3,5-triformylbenzeneをコアとしたCOF粉体の水素発生用光触媒機能に関する研究成果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題3)のための重要な要素として,安定ラジカル電子対の相互作用によるCOFフレーム面の近接に関し,重要な知見を得た.特に2023年度成功したラジカル型COFの形成反応は,既知のCOF合成手法とは一線を画す新しい合成反応であり,verdazyl radicalを含むC3対称性コア・リンカー分子の縮合反応として過去に例が無い.COF骨格の形成に関しては,縮合反応によるカルボニルおよびアミン構造の完全な消失とC=N結合構造の明瞭な形成が認められることに加え,形成された凝縮相のX線回折による構造解析では,きわめて高い結晶性を示すCOF2次元凝縮体の形成が確認された.従来のCOF積層相互作用に加え,不対電子間相互作用がこれを促進するという仮説のもと,その操作用に関する定量的評価を電子強磁性共鳴分光によって検討を進めている.得られた凝集構造は,巨視的に極めて対称性の高いロッド状構造を与えることが各種顕微手法により確認され,微視的な規則性凝集構造についてクライオ電子顕微鏡による直接観察を進める予定である.課題2)について電子D-A型半導体性COF凝集構造中の電子輸送特性評価を主にTRMC法を用いて進め,COFとしては比較的高い過渡伝導度(ΦΣμ = 10^-5 cm2V-1s-1: TRMC法において電荷移動度と光キャリア生成量子収率の積となる指標)を示すことを明らかとした.
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Strategy for Future Research Activity |
新しいラジカル型COFの形成反応の原理実証のため,一般的なCOF構造形成手法に限らず,1) 固体NMR法による構造評価と定量,2)Raman分光法による結合評価,を進める.最も重要な2次元COF規則性積層構造に関しては,3)TEM/AFM/STMを複合した規則構造評価により行い,得られたCOFの構造確定を進める予定.合わせて,BET法による細孔分布計測とNonlocal density function theory (NLDFT)による理論推定構造との比較も行う.研究の最終段階に向けて,課題2)に対応する電子伝導測定の定量的解析に加えて,不対電子間相互作用に基づく,superconducting quantum interference device (SQUID) 法による固体磁性評価を行う予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)