Project/Area Number |
22KJ0035
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Project/Area Number (Other) |
21J40020 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三浦 彩 北海道大学, 統合環境科学部門 自然環境保全分野, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 菌類 / 河川生態系 / 有機物分解 / 河川内分布 / バイオフィルム / 生物間相互作用 / 河川微生物 / 空間的変化 |
Outline of Research at the Start |
河川の水質を左右する自浄作用は、微生物生態系が担う有機物分解と栄養塩の転流に大きく依存している。河川において最も活発な微生物活動の場は河床に発達するバイオフィルムである。バイオフィルム内には藻類、細菌類に加えて、機能未知の菌類が存在する。申請者は菌類群集が担う未知の生態学的機能を解明することで、河川生態系維持や水質管理への貢献を目指している。本研究では、バイオフィルムでの菌類群集の種組成に、河川水に含まれる有機物組成や生物間相互作用が及ぼす影響を明らかにする。有機物組成の変化に応答する系統群を同定することで、菌類を水質変化の生物指標として活用する具体的な指針を得られることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、河川生態系における無機基質付着性の菌類群集構造の空間的な変化を明らかにするとともに、それに対して「河川水中の有機物の組成」と「生物間相互作用」が及ぼす影響の解明を目指している。有機物組成の変化に応答する系統群を同定することで、菌類を水質変化の生物指標として活用する具体的な指針を得られることが期待される。 当該年度は、実施を予定していた菌類、細菌類、真核生物群集の多様性解析、群集組成解析、冗長性分析、ネットワーク解析といったアプローチが順調に完了したことにより、当初の目的であった「河川内分布」、「基質特異性」、「生物間相互作用」を明らかにすることができた。現在は成果のまとめと学術論文の執筆にあたっており、次年度は一連の成果を国際誌へ投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、野外培養実験により得られた微生物DNAの定量PCR法による測定と、Mi-seqによるメタバーコーディング解析のためのライブラリ調整、および配列解読の結果をもとに、QIIME2を使用した群集構造解析に取り組んだ。有機物の質的・量的な変化が無機基質付着性の菌類群集構造の空間的な変化に及ぼす影響の大きさを調べるため冗長性分析を行ったところ、水中の腐食化度の増加と有意な関係がみられた。また、細菌類、真核生物との「生物間相互作用」を明らかにするための共起ネットワーク解析を実施したところ、珪藻類や特定の系統の細菌類との正または負の関係性がみられた。これらの成果を含め、一連の解析から当初の目的であった「河川内分布」、「基質特異性」、「生物間相互作用」を明らかにすることができたため、研究は順調に進捗した。本年度は国際誌へ成果を投稿予定であるが、年度途中に研究中断を取得した影響で当初の予定より遅れ気味である。よって、おおむね計画通り進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は国際誌への成果の公表を見据え、引き続き現在までに得られたデータを論文として取りまとめる予定である。
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