捕食機構と葉緑体の関係に着目した従属栄養性渦鞭毛藻の進化過程の解明
Project/Area Number |
22KJ0037
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Project/Area Number (Other) |
21J40057 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 愛果 北海道大学, 理学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 渦鞭毛藻 / 系統 / 従属栄養 / 進化 / 渦鞭毛藻類 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、培養株を確立することが難しいために見過ごされてきたEngulfment(餌を丸呑みする)・Tube feeding(ペダンクルと呼ばれるチューブを使って餌生物の細胞内容物を吸い取る)・Pallium feeding(細胞膜を広げて餌生物を包み込みそのまま細胞外消化する)をおこなう従属栄養性渦鞭毛藻類を研究対象とし、渦鞭毛藻類における捕食機構の進化過程とそれに伴う葉緑体の保持・機能状態の変化を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
渦鞭毛藻は珊瑚共生藻や赤潮の原因藻として有名であり、微細藻としての印象が強いが、葉緑体をもたない従属栄養性種も数多く存在している。渦鞭毛藻は複雑な進化過程を遂げたことが分かってきているが、全体的な系統関係に関しては培養の難しい従属栄養性種のデータが著しく欠けていることから、多くの部分が未解明となっている。本研究はこの従属栄養性渦鞭毛藻のデータを重点的に取得し、渦鞭毛藻全体の進化過程をより詳細に推定するための礎を補強することを目的とした。研究期間を通して主に国内の野外採集や提供いただいた海水サンプルと海底堆積物を研究材料とし、目的種や新規渦鞭毛藻の探索をおこない、形態観察および様々な培地・餌を試すことによる培養株確立の試みをおこなった。培養株確立が困難だった種に関しては細胞を単離して形態観察をした後に、その細胞を単細胞PCRへと供する方法を用いてデータを取得した。これまでにカリナディニィウム属やアンフィディニオプシス属のような分子系統学的データの蓄積が乏しかった従属栄養性グループを解析し、形態学的情報と併せて進化過程を推察し、分類学的措置をおこなってきた。令和5年度は従属栄養性渦鞭毛藻の中で種数・出現量ともに最大の属と言えるプロトペリディニウム属についての系統分類学的研究に携わった。研究対象としたプロトペリディニウム属の一種は背側にある特定の鎧板の形が異なる形態タイプが存在することが知られていた。そこで、本種の休眠胞子と発芽した遊泳細胞それぞれの形態比較と核コード28S rDNAを用いた分子系統学的解析を通して、本種が少なくとも2つの形態タイプと3つのリボタイプを含む種複合体であることを示した。これらのうち、遊泳細胞の背側鎧板と休眠胞子の形態が明瞭に異なり、分子系統学的解析結果からも異なる系統にあることが示されたものを別種と判断し、新種記載をおこなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)