京都学派による現象学拡張の解明──社会存在論の観点から
Project/Area Number |
22KJ0039
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Project/Area Number (Other) |
22J00292 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浦井 聡 (2023) 北海道大学, 文学研究院, 特別研究員(PD)
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Research Fellow |
浦井 聡 (2022) 北海道大学, 文学研究院, 特別研究員(PD) (50844370)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 京都学派 / 社会存在論 / 田辺元 / エナクティヴィズム / 現象学 / 即 |
Outline of Research at the Start |
2023年度の研究は田辺・務台・現代の現象学の社会存在論の突き合わせを行うことを目的とする。また、1年目に研究を進めたエナクティヴィズムの見地から田辺・西田の基礎概念を再解釈することで、現代の社会存在論研究において活用な形で京都学派の哲学を再構成することも同時に進めていく。そのために、まず田辺・務台の社会存在論がどのような次元で現象学と相通じるものを持つかを考察した上で、現代の現象学の社会存在論との異同を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果は、(1)コペンハーゲン大学主観性研究センターでの半年間の在外研究、(2)単著の出版、(3)学会発表の3点に分けられる。 (1) Dan Zahaviが主宰するコペンハーゲン大学主観性研究センターは、現象学の社会存在論の研究の最先端として知られており、常時客員研究員を含めて20人ほどの研究者が所属している。ここで9月から3月まで半年間を行うことを通して、現象学研究の社会存在論の最先端の議論に触れてその状況や京都学派の社会存在論との距離を知ることができた。 (2) 京都大学文学研究科の出版助成に採択され、博士課程進学時から本年度までの研究成果をまとめた単著『田辺元:社会的現実と救済の哲学』を出版することができた。本書は、京都学派の第二の人物と知られているがまだ十分な研究がない田辺元(1885-1962)の思想の全体を「倫理と宗教」「社会存在論」というふたつの切り口から読み解くことで、多岐に渡る田辺哲学が実際にはその根幹に一貫した主題を持つ哲学であったことを示した研究である。 (3) 本年度の学会発表はすべてが英語になった。まず、田辺哲学における「即」の翻訳をめぐる問題を英語発表を7月にAsian Philosophical Textsで行った。8月と9月には最も大きい日本哲学の国際学会International Association for Japanese PhilosophyとEuropean Network of Japanese Philosophyで、それぞれエナクティヴィズムと現象学と田辺哲学とを結びつける発表を行った。また、3月下旬にはストラスブール大学に招待され、コペンハーゲン大学での在外研究成果をまとめた発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に行うべき作業はほぼ終えることができた。コペンハーゲン大学主観性研究センターでの半年間の在外研究によって現象学の社会存在論の研究状況について知ることができただけでなく、ヨーロッパ屈指の哲学研究所での研究交流によって予想以上の収穫があった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度と同様に、各年度に配当してある文献の読解を進めていくことによって本研究の目的を達成できると考えている。また、テキスト読解の成果は適宜日本哲学の国際学会および各雑誌において公表していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)