Project/Area Number |
22KJ0058
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Project/Area Number (Other) |
22J10625 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒田 充樹 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 回遊 / 音響テレメトリー / サケ科魚類 |
Outline of Research at the Start |
イワナやイトウは河川で生まれ海で成長する遡河回遊魚である.高緯度地方では河川に比べ海洋の生産性が高いことから,遡河回遊魚は海で生活することにより,大きく成長することができる.しかし,産卵や海水温の上昇により,年間を通して海で生活することは困難である.降海型のイワナ・イトウは,河川で越冬することが多いとされるが,地域や個体により差があり,その理由は明らかでない.本研究では,氷下における行動追跡調査と,海水と淡水における代謝を計測する実験により,降海型イワナ・イトウの越冬期の行動を規定する要因の解明を目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
降海型イワナ・イトウの越冬回遊動態を明らかにするために,氷下の水域における行動追跡調査を実施した.北海道東部の厚岸町に滞在し,別寒辺牛川水系において音響テレメトリー手法を用いて,アメマス(Salvelinus leucomaenis)およびイトウ(Parahucho perryi)の冬季回遊行動を調査した.最終年度に得られたデータを詳細に解析したところ,アメマスやイトウは冬季の移動が少ないことが判明したが,河氷が融解するタイミングで移動性が高まることが明らかとなった.また,初夏にはアメマスが海洋へと移動する現象を観測できた.さらに対象魚類の降海時期が個体間で同調してることや,遡河時期には個体間でばらつきがあることが判明した. また,極寒冷条件において利用可能な音響テレメトリーシステムを開発すべく,南極昭和基地周辺における新システムの検証実験を行った.音波受信機は海氷下の水域においても正常に動作したものの,凍結防止策やさらなる温度耐性が必要であることが確認され,今後の機器開発に利用される基礎的な知見を得ることができた.降海型イワナ・イトウの回遊様式に影響する環境条件を特定すべく,代謝量計測が可能な閉鎖式回遊水槽を用いる実験系を開発した.函館市国際水産・海洋総合研究センターに設置した閉鎖式回遊水槽内にて,野外で捕獲したアメマスが遊泳できるチャンバーを構築し,水槽内の水温や塩分を任意の値に設定しながら,酸素消費速度を計測できるようになった.最終年度には複数個体で代謝計測実験を実施し,実験系を適用可能な個体サイズや水温条件が判明した.
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