Project/Area Number |
22KJ0161
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Project/Area Number (Other) |
21J00625 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大澤 絢子 東北大学, 国際文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 教祖像 / ジェンダー / マスキュリニティ / 人物表象 / 人格形成 / ラジオ / 近代仏教 / 修養 / 教祖の性 / 宗教とジェンダー / 人格陶冶 / 近代歴史研究 / 日本文化史 / 近代仏教文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では教祖の「性sexuality」に着目し、近代日本における教祖像形成のプロセスを解明する。そこで、明治から昭和戦前期を範囲とし、親鸞と日蓮イメージを軸に、彼らの性に関する歴史研究(史実)と文学(創作)の言説の相互関係を検証する。 文献の精読により、①戦前期のラジオ放送における教祖像の実態②前年度までの研究を踏まえた、親鸞と日蓮の男性性に関する歴史研究と文学の相互関係の有無③教祖イメージがいかに教団や社会集団の理念と結びついてきたか、を明らかにする。 以上を通して、教祖像形成における性の位置づけを解明し、近代日本の自己形成における教祖像のジェンダー的価値の検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、近代日本における教祖イメージの発信と受容に着目し、①資料の収集・整理、②研究成果の発表および論文執筆、③共編著を執筆・刊行した。 ①では、歴史上の人物としての教祖のイメージが教団や社会集団の理念と結びついてきた過程に焦点を当て、明治以降に刊行された修養書における空海、最澄、親鸞、日蓮などの教祖の語られ方に関する資料を収集した。さらに、戦前期のラジオ放送における仏教の関与について調査を行い、放送テキストのほか関連資料を収集・調査し、講師の経歴や傾向などを分析した。 ②では、戦前期日本のラジオ放送における仏教法要の実態を日本近代仏教史研究会にて報告し、仏教関係者が数多く登壇した戦前のラジオ講座番組「朝の修養」については、佛教文化学会に招待されて発表した。教祖をめぐる「語り」に関しては、明治期と日中戦争期の教祖像に関する論文をそれぞれ発表したほか、日本思想史学会の大会シンポジウムにコメンテーターとして登壇した。さらに、明治から大正期の修養とジェンダーに関して日本社会教育学会で報告したほか、大正期に親鸞を題材とする小説を執筆した三浦関造の思想形成に関して国際会議で報告した。 ③では、国内外計15名の研究者と共に、「読む」「観る」「聴く」という身体性を軸とした近代日本のメディアと仏教の関わりを解明した共編著を刊行した。 研究期間全体を通して、資料収集や調査を踏まえた成果の発表・論文執筆に加えて編著を刊行し、修養や近代メディアという新たな視点から研究を遂行することができた。教祖の「sexuality」を通した近代日本仏教における教祖像形成のプロセスの考察だけでなく、出版やラジオといったメディアとの関連も踏まえ、主に親鸞と日蓮にまつわる「性欲」「英雄」言説の変遷と、歴史研究と文学の相互関係の有無、特に男性の自己形成と教祖像の結びつきに関して研究を進めることができた。
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