成熟期エナメル芽細胞の分化機構の解明とその制御によるエナメル質形成技術の開発
Project/Area Number |
22KJ0194
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Project/Area Number (Other) |
21J21873 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大竹 慎司 東北大学, 歯学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 歯の発生 / エナメル質 / 歯原性上皮細胞 / エナメル芽細胞 / 分化機構 / 石灰化機構 |
Outline of Research at the Start |
歯の表層に存在するエナメル質は生体内で最も固い構造物である。エナメル質を形成するエナメル芽細胞は歯原生上皮細胞から分化する。我々はエナメル芽細胞の分化において、エナメル芽細胞への分化に必要なSox21、石灰化に重要なGpr115、エナメル基質分泌に重要なAmbnを明らかにした。しかし、エナメル芽細胞の分化度の違いによる機能の変化、in vivoと同様の効率的なエナメル質形成技術は解明されていない。本研究ではSox21、Gpr115、Ambnが制御している分子を明らかにすることで、成熟期エナメル芽細胞の分化機構を明らかにし、効率的なエナメル質形成技術の確立を目標としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
歯の発生において歯原性上皮細胞から分化したナメル芽細胞は、基質分泌期、移行期、成熟期と分化してカルシウム等が沈着し、エナメル質が形成される。我々は過去にSox21、Gpr115、Ambnといったエナメル質形成に重要な分子を明らかにした。しかし、細胞内カルシウムと、エナメル芽細胞との関連は不明な点が多い。本研究では、エナメル芽細胞で発現しているカルシウム結合タンパクであるS100ファミリーに注目した。特に、シングルセルRNAシークエンスおよびマイクロアレイを用いた網羅的解析により歯原性上皮で特異的に発現しているS100a6をターゲット分子とし、エナメル芽細胞における機能解析を行った。 in vivoでは、S100a6免疫染色において胎生13,15日及び生後1,7日齢マウス臼歯歯胚のうち生後マウスから発現が開始し、エナメル質に接するエナメル芽細胞に局在を認めた。6週齢マウス切歯歯胚では、エナメル芽細胞への分化に伴い、発現量が増加した。 in vitroでは、ラット歯原性上皮において歯原性上皮細胞からエナメル芽細胞へ分化誘導した場合、S100a6の発現部位に変化を認めた。カルシウムイオン染色ではエナメル芽細胞へ分化すると染色部位が変化し、S100a6発現抑制により染色部位が減少した。S100a6発現を抑制すると、エナメル芽細胞への分化誘導時にERKシグナルの減弱を認めた。更に、マイクロアレイにて網羅的解析を行ったところ、表皮系細胞分化の分子が上昇し、細胞増殖や細胞周期の分子が減少していることが示唆された。そこでEdU解析を行ったところS100a6発現抑制により細胞増殖は減少し、更にqPCRにて発現分子を確認したところ、表皮系細胞分子の発現が上昇した。 以上から、S100a6は歯原性上皮細胞から上皮系細胞へと分化することを抑制し、エナメル芽細胞への分化誘導を行っている可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)