Project/Area Number |
22KJ0209
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Project/Area Number (Other) |
22J00091 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長足 友哉 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ダスト / 有機物 / 付着力 |
Outline of Research at the Start |
惑星は固体微粒子(ダスト)が合体成長して形成したとされているが,岩石質ダストは付着性が低いとされ,その成長を理論的に説明できていない.一方,成層圏で採集される地球外岩石質ダストは有機物に覆われており,それが付着性に大きく影響した可能性がある.本研究は,地球外有機物の合成反応の一つとされるホルモース型反応による合成有機物の付着力を測定することで,岩石質ダストの付着成長条件の解明に迫るものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
惑星は固体微粒子(ダスト)が互いに合体成長を繰り返すことで形成したとされているが,岩石質ダストは一般に低付着性とされ,成長が困難とされる.しかし,成層圏で採取されるダストは有機物に覆われており,このことが付着性に影響を与える可能性がある.本研究は,隕石・彗星有機物の合成反応の一つであるホルモース型反応で合成される有機物の付着力を測定し,ダスト成長過程に対する有機物の効果を理解することを目的としている. 令和5年度は,衝撃分離法による付着力測定のための衝撃加速度発生機構を作成し,常温常圧環境での付着力測定を実現した.また,これまでの測定で用いられてきた遠心法との比較実験から,新たな装置による付着力測定の妥当性を確認した.現在,原始惑星系円盤環境の低温・真空下での付着力測定に向け,装置の改良を行っている. 当初,振り子を衝突板に衝突させることで発生する衝撃加速度を用いた付着力測定装置を作成する予定だったが,装置の小型化のため,圧縮ばねを用いて衝撃加速度を発生させる機構に変更した.ホルムアルデヒド,グリコールアルデヒド,アンモニアを加熱反応させて地球外有機物模擬物を合成し,水に溶けない成分について,常温常圧環境で新しい装置と遠心法の両方で付着力を測定した.結果として,両手法で同等の付着力が測定され,また,粒子の付着力が粒子サイズに比例する付着接触理論と調和的な結果が得られた.その比例係数に基づき,有機物の表面エネルギーを推定すると,その推定値は同様の条件下でのシリカの値と同様かやや小さい値であった.従って,常温常圧環境での表面エネルギーでは原始惑星系円盤における岩石質ダストの付着成長が促進されないことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の今後の研究の推進方策に記載した通り,発生する衝撃加速度の調整を行うことで,常温常圧環境における付着力測定を実現し,また,遠心法との比較から,新たな測定装置の妥当性を確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に実現した圧縮ばねによる衝撃加速度発生機構に,内部で付着力測定を行うことのできる小型真空容器を取り付け,減圧・冷却した状態での測定の実現を目指す.真空容器を試作したが,加速させる質量の増加により,発生する最大衝撃加速度の減少を確認した.そのため,真空容器の減量および衝撃加速度発生機構の改良を行うことで,測定に必要な加速度を実現する.その結果として得られた付着力から推定される表面エネルギーに基づき,ダストの合体成長の可能性について評価し,学術論文にまとめる予定である.
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