Project/Area Number |
22KJ0240
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Project/Area Number (Other) |
22J11168 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 遥 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ステンレス鋼 / 耐孔食性 / モリブデン / 焼結鋼 / 高耐食化 |
Outline of Research at the Start |
ステンレス鋼の高耐食化について、従来の耐食元素の固溶体化という手法では、希少金属を多量に使用する。持続可能な社会の実現のために、添加する希少金属の量を削減する必要がある。本研究では、耐食元素が濃縮した「濃化領域」を鋼中に分散させ、そこに防食機能を集約させる。これによって、希少元素の使用を抑えた、高耐食ステンレス鋼の開発を目的とする。また、その作製条件を評価し、最適化に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、SUS304Lステンレス鋼の粉末と純Moの粉末を混合・焼結し、Mo濃化領域を含有するステンレス鋼を作製した。「インヒビターを内包した構造を有するステンレス鋼」の開発と耐食性の評価に取り組んだ。SUS304Lステンレス鋼の粉末と純Moの粉末を混合したものを放電プラズマ焼結法を用いて焼結を行った。焼結鋼に対して適切な熱処理を施し、Moをインヒビターとして内包した、コアシェル組織を有するステンレス鋼を作製した。コアシェル組織のうちコアは優先的に溶解し、Moイオンを供給し、その一方で、シェルは耐溶解性が高く、コアシェル構造が孔食発生の起点になることを防ぐ役割があることが分かった。このコアシェル組織を有するステンレス鋼は、Moイオンのインヒビター作用により、高い耐食性を示すことも明らかになった。実環境を模擬した、長期のサイクル試験では、比較材であるSUS316L焼結鋼と同等の耐孔食性を示すことが分かった。また、試験後でもコアが溶け切らなかったことより、コアシェルは比較的長期間、高い耐食性を保持できることを見出した。 さらに、焼結鋼の活用の観点から、焼結鋼の孔食起点の調査と高耐食化にも取り組んだ。SUS316Lを用いた孔食起点の調査の結果、焼結鋼の孔食は、MnSなどの硫化物系介在物と、気孔(未焼結部)が隣接するときに発生することが明らかになった。そのため、表面改質を行いMnSを除去することで、気孔が残っている状態でも高耐食化が可能となることを見出した。
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