サブナノオーダーでの有機電荷移動錯体の配列制御と有機デバイスへの展開
Project/Area Number |
22KJ0332
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Project/Area Number (Other) |
21J22405 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26030:Composite materials and interfaces-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 恵里佳 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2025: ¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥650,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 電荷移動錯体 / πスタッキング / イオンペア / 自己集合体 / π共役系高分子 / 形態制御 / 有機共結晶 / 有機太陽電池 |
Outline of Research at the Start |
太陽光から電力を創出する太陽電池は、持続可能な社会の実現に必要不可欠である。中でも、有機太陽電池(OPV)は柔軟性を活かし、Si太陽電池と使い分けることで多様な場での利用が期待できる。 従来のOPVでは、ドナー-アクセプター間での励起子の緩和過程で生じる多大な電圧ロス、分子内の界面・配列制御の困難さが、社会実装における課題であった。そこで、申請者らは分子内の伝導パス・分子配列を精密制御し、生成した励起子を効率よく取り出すことを提案した。 本研究では、分子の適切な周辺修飾により、立体障害、クーロン相互作用、電荷移動相互作用等を利用した精密配列を実現し、高効率OPV等の有機デバイスへの応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
炭素数1-8のアルキル鎖を有するviologenとテトラシアノインダンアニオン(CMI-)からなる高結晶性共塩が、系統的な側鎖長の変化によりCT特性および配列の制御が達成できると着想し、単結晶X線構造を用いた理論計算および各種特性評価を実施した。その結果、全く同じ分子骨格を持つイオンペアからなる塩でも、分子へ修飾するアルキル鎖長の系統的な変化により、3種に分類できるCT錯体を形成することを見出した。さらにこれらの集合形態は、光学特性ともも大きく相関することを明らかにしている。そして、それらのCT特性は、アルキル鎖長で系統的に変化するイオンペアの構造形態よって変調可能であることが見出された。これらの研究成果について、RSC Advances, 13 (45) 32039-32044 (DOI: 10.1039/d3ra06782c) にて論文投稿済である。 その後、CMI-の他、π共役系アニオン分子に着目し、テトラシアノキノジメタンラジカルアニオンとπ共役系カチオンからなるイオンペア集合体を構築し、それらの単結晶X線構造解析並びに各種物性評価や光学特性の調査をもとに論文投稿の準備を進めている。加えて、周辺修飾により電子パスが1次元に並ぶカラムナー構造の構築を目指し、それらを用いた光機能性材料やオプトエレクトロニクスデバイスとしての応用を検討している。 さらにこれまでのπ共役系イオン分子集合体の研究を生かし、π共役系イオン性ポリマーとアニオン種の自己集合化を利用した分子集合体の配列制御の解明に着手した段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭素数1-8のアルキル鎖を有するviologenとテトラシアノインダンアニオン(CMI-)からなる高結晶性共塩の形態制御について明らかにし、国際学会(1件)および査読つき論文(1報)にて発表した。現在は、新たにテトラシアノキノジメタンラジカルアニオンとπ共役系カチオンからなるイオンペア集合体についての形態制御および光学特性の解明に取り組んでおり、論文投稿準備の段階である。並行して、イオン性π共役系ポリマーとアニオン種の自己集合化を利用した分子集合体の配列制御にも挑戦しており、ポリマーの合成および自己集合体構築・物性評価に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
テトラシアノキノジメタンラジカルアニオンとπ共役系カチオンからなるイオンペア集合体を基盤とし、周辺修飾による1次元に電子パスが並んだカラムナー構造の構築を目指し、光機能性材料としての応用に挑戦する。更に、イオン性π共役系ポリマーとアニオン種の自己集合化を利用した分子集合体の配列制御を明らかにし、より高度に分子設計を施したラメラ構造体を作製する。その後それらを薄膜化し、機能性高分子材料としての性能を確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)