Project/Area Number |
22KJ0333
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Project/Area Number (Other) |
22J40116 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
LEE FUHSING 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 地域社会 / 台湾 / 防災体制 / 防災川柳 / 防災活動曲線 / 住民主体 / インターローカリティ / ドミナント・ストーリー / 地域防災 / 震災復興 / 日台交流 / ステークホルダー / コロナ禍 / 外部支援 / 土砂災害の防災 / 協働 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本及び台湾の事例を用い、震災と感染症(新型コロナウイルス)など複合災害からの復興に向けて、住民主体の地域コミュニティの構築過程を明らかにする。復興途上でコロナの打撃を受けたことで、窮境から抜け出せずにいる被災地は少なくない。こうしたコロナ禍の厳しい状況において縦割り構造や共依存構造から脱するためには、ローカルで内発的な対応の事例及びその形成要因を外部者との関係を考慮しながら見出すことが必要である。本研究は東日本大震災の被災地茨城県大洗町と台湾集集大地震の被災地雲林県古坑郷華山村の取り組みを調査することで、それぞれの課題を抽出し、問題解決に向けた提言を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本と台湾の地域社会における復興・防災、そしてコロナ禍に向けて、地域と外部者(専門家、行政、他地域)との協力関係の構築の在り方、地域主体の取り組みを把握することを目的としている。今年度では、現地で聞き取り調査を実施するだけではなく、日台地域の防災知見を共有するため、地域で防災ワークショップの開催などの実践研究を行った。また、以下のような研究成果をまとめ、査読論文と学会、研究集会で積極的に発表した。 1.地域主体の取り組み 日本では、少子高齢化、人口流出、産業の衰退、そしてコロナ禍により、被災地は多くの課題を抱えている。住民主体の復興を達成することが困難となっている。本研究では、2018年と2019年に開催した被災地大洗町と未災地黒潮町の防災交流勉強会の実践活動を考察した。その結果、防災と産業維持の両立問題、外部社会との連携の課題などさまざまな課題を抱える地域には、ドミナント・ストーリー手法のような一律化された計画や政策を持ちこむことではなく、地域間交流のイベントを開催することで、インターローカリティの生成により地域課題の解決につながることを明らかにした。 2.日台ワークショップによる実践研究 本研究では、台湾と日本の研究者が連携し、国際交流を目指し、台湾で「防災活動曲線」、「防災川柳」ワークショップを開催した。台湾の「亮点社区」という土石流防災のモデル地域である雲林県華山村、新北市双鳳地区など5つの地域で実施した。以上のプロセスにより、住民、行政、専門家それぞれが互いの考えに対する理解を深めることができたと考えられる。地域防災力を向上させるためには、単に住民の自主性や学習能力を求めるだけでなく、各ステークホルダーの共同作業が重要であることが明らかになった。行政・専門家と住民が同じ立場で対話・作業することで、お互いの知識や視点を共有し、信頼関係を高めることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初の研究実施計画の通り展開してきた。まず、研究方法である資料収集法を用いて、日本と台湾における地域に関わる復興、防災に関する先行研究や公的資料を収集し、政策、制度、沿革、具体的な取り組みについて比較した。 次に、コロナによりどのような影響が生じ、それに地域社会はどのように対応したのか把握するために、インタビュー調査および参与観察といった研究方法を用いて、フィールドワークを実施した。また、防災ワークショップの実施により、地域の当事者の言葉や対話を通じて、実践研究を実施した。台湾の地域や専門家に防災ワークショップの効果に評価されたため、研究計画で実施する予定の雲林県だけではなく、台湾の5つの地域で実施された。また、以上の研究成果を査読論文と学会発表で公開された。 以上のように、ワークショップでは多様な参加者からのフィードバックを得て、研究の深度と広がりを増すことができた。計画を超える成果を達成できたのは、論文執筆の進捗と実践的なデータ収集が順調に進んだためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の方策に基づき研究を推進していく予定である。 (1)地域間交流会の継続開催:地域間の交流会を継続的に開催し、多くの当事者の声を集める。議論の範囲を自然災害の防災だけでなく、新型コロナウイルスによる感染症対策など、さまざまな課題に広げる。多様なローカルとローカルをつなげることで、地域の課題解決手法を見出していく。 (2)日本と台湾の関係を重視した活動:日本と台湾の関係を大切にしながら、復興に関わるインタビュー調査を実施する。同時に、防災ワークショップを積極的に行い、現地の声を研究に反映させる。2024年8月に開催予定の日台の地域交流会の準備を進めており、これにより両国の連携を強化する。 (3)インターローカルな結びつきを活かした展開:台湾のフィールドとのインターローカルな結びつきを活かし、さらなる研究展開を期待している。これにより、地域間の協力体制を強化し、より効果的な防災・復興手法を模索する。 (4)研究成果の発表:研究成果については、国際学会での発表を予定している。英語論文および日本語論文を発表し、研究の知見を広く共有する。これらの推進方策を通じて、地域社会の防災と復興に関する研究をさらに深化させ、多様な視点からの解決策を提供していく。
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