輻射輸送と流体の同時計算によるブラックホールスピンの新たな測定法
Project/Area Number |
22KJ0382
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Project/Area Number (Other) |
22J10256 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 幹弥 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ブラックホール / 輻射輸送 / 数値シミュレーション / 一般相対性理論 / 降着円盤 / 数値計算 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ブラックホールの自転速度を明らかにすることを目的とした理論的研究である。そのために、一般相対論的輻射輸送計算と呼ばれる手法を用いてブラックホール近傍の光の軌道や輻射エネルギーの伝播を計算し、実際の観測量を理論的に予言する。理論的に予言した観測量を現実の観測結果と比較することで、現実の観測結果からブラックホールの時点に関する情報の抽出を試みる。これまでの研究からの発展として、ブラックホール近傍の物質の構造を簡易的なものではなく、流体計算によって作成したより現実的な物質の構造に置き換えた計算を行う。これにより、より現実に近い理論予言が可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に引き続き、ブラックホールの観測イメージの時間変動に関するシミュレーションを行った。前年度で得られていた結果を、イメージの構造の時間変動とイメージの二次元情報に注目しつつさらに解析を進めた。その結果、観測イメージに現れる三日月状の特徴的な構造とイメージの輝度重心を組み合わせることで。ブラックホールスピンを推定できる新たな手法を提案した。また、新たに提案する手法が、スペースVLBI観測によって検証可能であることも示した。このことは、ブラックホールの最も基本的な特徴であり、ブラックホール近傍で様々な高エネルギー現象の駆動源と考えられているブラックホールスピンを精度良く決める可能性を秘めた物理学的・天文学的に重要な提案である。さらに、将来計画されているスペースVLBI計画への観測提言の一つにもなる。本年度は国内外の学会・研究会で計9件の発表を行った。また、国内外の大学で計3件のセミナーを行い、多くの研究者と議論を深めてきた。その結果、本年度に行った研究成果をまとめた論文を間も無くPablications of the Astronomical Society of Japan誌に投稿する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)