Project/Area Number |
22KJ0489
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Project/Area Number (Other) |
22J22286 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 英樹 千葉大学, 医学薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 腫瘍微小環境 / 免疫チェックポイント阻害薬 / ミトコンドリア / 腫瘍浸潤リンパ球 |
Outline of Research at the Start |
がんの微小環境でがんは様々な方法で自身を攻撃するT細胞の浸潤や活性化を妨げている。近年ミトコンドリアをはじめとする代謝の異常が、抗腫瘍免疫応答を妨げる重要な因子と知られており、微小環境にミトコンドリア異常がある場合にT細胞の抗腫瘍免疫応答が障害されている可能性を考えた。そこで、そのようなミトコンドリア異常がある場合のT細胞機能解析を実施し、ミトコンドリア機能に障害をもつマウスを使用して腫瘍浸潤リンパ球の解析と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による抗腫瘍効果の検討をおこなう。臨床検体を用いた解析もおこない、ICIの治療効果に与える影響も検証していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年ミトコンドリアをはじめとする代謝の異常が、抗腫瘍免疫応答を妨げる重要な因子と知られており、私はがんの微小環境にミトコンドリア異常がある場合には、T細胞の抗腫瘍免疫応答が障害されている可能性を考えた。まずヒト臨床検体から、ミトコンドリア機能に異常を持つメラノーマ細胞株の樹立に成功した。ミトコンドリア機能に異常をもつメラノーマ細胞株を用いたin vitroでのT細胞との共培養の実験により、T細胞の機能に与える影響を解析した。また同様にミトコンドリア機能に異常をもつマウス肺癌細胞株を野生型マウスへ皮下接種しておこなうマウスモデルを用いて、腫瘍浸潤リンパ球の解析と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による抗腫瘍効果の解析をおこなった。次に、ミトコンドリア機能障害を有するマウスに対しても腫瘍を接種するマウスモデルを使用し、腫瘍浸潤リンパ球の解析と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による抗腫瘍効果の解析を実施した。これらのin vitroとin vivoの実験結果を踏まえると、T細胞の抗腫瘍免疫応答には、がんの微小環境におけるミトコンドリア品質が重要であることが示唆される結果であった。また、実際にヒトの非小細胞肺癌とメラノーマの臨床検体を用いて、腫瘍局所での異常ミトコンドリアの存在とICIの治療効果の相関についてを解析したところ、異常ミトコンドリアの存在はICIの効果を予測する重要な因子であることがわかった。本研究の新たな知見は、異常なミトコンドリアの介したがん免疫逃避の新しいメカニズムを示すものであり、将来のがん免疫療法の開発に貢献することができると考えた。私は現在、本研究結果を国際誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたin vitroの実験とマウスモデルでの実験を完遂し、また複数のがん細胞株でも同様の結果が得られることを確認できた。またヒトの臨床検体を次世代シーケンサーで用いておこなった解析では、1次治療に免疫チェックポイント阻害薬を使用した症例だけでなく、1次治療に細胞傷害性抗がん薬治療をおこない、かつ免疫チェックポイント阻害薬を使用していない症例についても同様に解析をおこない、免疫チェックポイント阻害薬に特異的な効果、現象であることか確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに論文投稿済みであり、査読者からのリバイスへ真摯に対応し、追加実験をおこなう。2024年度中の国際誌への掲載をめざす。
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