Project/Area Number |
22KJ0550
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Project/Area Number (Other) |
21J20283 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 舞佐志 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 高車 / 柔然 / エフタル / 中国北朝 / 内陸アジア史 |
Outline of Research at the Start |
しばしば4-6世紀の歴史はユーラシア大陸の東西において、遊牧民の移動に伴う分裂と混乱の時代とされてきた。本研究の目的は、5世紀末にジュンガル盆地で独立の動きを見せた高車と呼ばれるテュルク系遊牧民勢力の国際的位置づけを考察することで、当該時代の東部ユーラシア歴史像の探究を試みることである。 具体的には諸言語文献史料及び石刻史料等の非文献史料の利用を通じて、中央アジアのエフタルやモンゴル高原の柔然、チベットの吐谷渾、中国北朝等との関係性を多角的に分析していく。それによって、高車の盛衰を基軸に展開する東部ユーラシア国際秩序の変動とその歴史的意義を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に収集した資史料と、進行させていた基礎的な研究を基盤として、それらを発表の形にすることができた。 まず、本年度は新たに2022-2023年度U-PARL協働型アジア研究プロジェクト「フンの時代における中央ユーラシア~南アジアの歴史と社会」に研究メンバーとして参加し、歴史学だけに止まらず様々な専門分野に亘るメンバーで構成された学際的な研究グループで研究活動を展開した。7月には当該プロジェクトで開催された研究会において、「柔然の阿那カイによる可汗国再興」と題する研究発表を行った。本報告では、6世紀前半のユーラシア東部情勢において、モンゴル高原の柔然の動向が与えた影響を考察した。高車の独立以降、柔然と高車は常に角逐の関係にあり、高車の歴史的展開を考える時、柔然の動きは無視できない。当該研究会ではプロジェクトメンバー以外の研究者の参加もあり、建設的な議論を展開することができた。 次に、本研究の主題である高車に関する史料批判の研究が大きく進展した。高車に関する直接的な史料は漢籍しか存在しないのが現状であり、量・内容ともに多くの問題を抱えている。限られた史料の中では史料批判すらままならないが、本研究を開始して以来史料の読解を続けていたことでその性質について新たな見解を発表する準備が整った。こちらについては、本年度中の発表には至らなかったが、次年度中に何らかの形で発表が可能となろう。 また、昨年度より進めていた翻訳論文2本が、『多元的中華世界の形成:東アジアの「古代末期」』に収載され出版に至った。現地の研究者とコンタクトを取る中で、歴史学における「古代末期」という時代・地域区分の考え方に触れることができ、本研究の巨視的な位置づけを改めて考える機会とすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、翻訳が出版に至ったものの、本研究の成果を論文として発表することができなかった。U-PARL協働型アジア研究プロジェクトの研究会で発表した研究は、柔然を多角的に分析したことでユーラシア東部の歴史像に迫ることができた一方で、複数の視座の設定により論点がやや煩瑣なものとなった。したがって、多数の論点を別個に精察すべきであると考え、性急に論文化することを避けた。また、高車の史料に関する研究も、十分な結論に達したのが年度末であったために本年度の発表とはならなかった。 次年度に向けて、研究自体は大きな進展のあった年度であった。また、国内に蔵書のない稀覯書を海外より入手したりと、研究に必要な資史料を集めることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度までに準備・進行させてきた研究を積極的に発信していく。 まず、U-PARL協働型アジア研究プロジェクトでの活動で得た知見を基に、6世紀の柔然の動向に関する研究を進行させて発表する。プロジェクトでの発表以降、研究の論点を大きく二つに分けて分析を進めている。一点は史料の分析を進めている段階であり、更なる研究の進展を要する。もう一点は一定程度の構想ができており、発表する準備が整いつつある。これらの研究の進展は、高車の歴史像解明に繋がる。 また、高車の史料に関する研究は、研究の成果を発信する準備が既に整っているため、本年度の早い段階で発表が可能と思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)