Project/Area Number |
22KJ0551
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Project/Area Number (Other) |
21J20321 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深井 康平 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 量子可積分系 / Bethe Ansatz / 一次元Hubbard模型 / 局所保存量 / 一般化流れ演算子 / Temperley-Lieb代数 / Boost operator / 一次元XYZ模型 / Bethe仮設 / 量子転送行列法 / 相関関数 / 共形場理論 |
Outline of Research at the Start |
XXZ鎖、critical Potts模型、Golden鎖などの、Temperley-Lieb代数で表すことができる量子可積分系において、相関関数の因子化の表式を普遍的に求める。局所保存量の具体的な表式から、それらに対応する流れ演算子の表式を得る。それらの固有状態期待値を用いて、Temperley-Lieb代数の生成子で表せられる物理量の相関関数の因子化の表式を求める。また開放端境界条件での、それらの模型の局所保存量のboundary termをTemperley-Lieb代数の生成子で求める。
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Outline of Annual Research Achievements |
Temperley-Lieb代数(TL代数)と呼ばれる代数構造が背後に潜むような量子可積分系で普遍的に成立する相関関数の因子化公式を、いくつかの短距離相関関数について求めた。TL代数の表現となる模型(XXZ鎖、critical Potts鎖など)は無数の局所保存量を有し、それに伴う流れ演算子が存在する。今回、任意のTL代数の表現における、任意のエネルギー固有状態での相関関数が、一般化流れ演算子及び局所保存量の期待値の二次の多項式で書けることを数値実験より発見し、簡単な場合については厳密な証明も与えた。副産物として局所保存量の陽な表式から、一般化流れ演算子を計算する手法を開発した。この手法は一般の量子可積分系に適用できる。
また、一次元Hubbard模型の局所保存量の完全性も証明した。一次元Hubbard模型における任意の局所保存量は、[K. Fukai, Phys. Rev. Lett. 131, 256704 (2023)]で求められた局所保存量の線形結合で書かれ、それらと独立なものは存在しないことを厳密に証明した。これより、転送行列の展開から得られる局所保存量で、全ての局所保存量が尽くされていることが示された。
さらに、局所保存量のMatrix product operator(MPO)による表示についての研究も行った。相互作用のある量子可積分系の局所保存量の表式は非常に複雑であり、低次の表式をいくつか計算できたとしても、そこから一般的な規則を予想することは難しい。そこで、局所保存量のMPO表示を考えることで、一般的な規則がわかりやすくなるのではないかと考えた。今回、spin-1/2 Heisenberg鎖、およびそれのSU(N)への一般化における局所保存量のMPO表示を導出した。局所保存量自身は一般化Catalan数がoperatorの線型結合の係数に出現するが、MPO表示では通常のCatalan数のみが出現することが分かった。この点において、局所保存量それ自身の表式よりも、それのMPO表示の方が表式が簡単になることが分かった。
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