Project/Area Number |
22KJ0579
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Project/Area Number (Other) |
21J20720 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Nagoya University (2023) The University of Tokyo (2021-2022) |
Principal Investigator |
趙 元晟 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ガラス転移 / X線散乱 / 中性子散乱 / 分子動力学シミュレーション / 機械学習 / 第一原理計算 / 水素結合 / 局所構造 / X線散乱 / 分子ガラス / 高圧 / 分子シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
過冷却液体は温度の低下により、粘度が急激に上昇する現象(ガラス転移)が知られています。これは現代の不規則系物理学における大テーマの1つであります。この研究は、視野を温度空間から温度-圧力空間に広げて、主に高圧力における単純な分子ガラスの局所構造を研究し、構造、エン トロピー、およびダイナミクスの間の普遍的な関係を見つけます。これらの関係はガラス転移の本質の理解を前進し、さらに解明に繋がります。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度前半は続いて、水素結合液体・がラスの局所構造を実験と理論両方にで研究しました。具体的に、この前に研究してきたグリセロールと比較するため、メタノールとエチレングリコールのX線散乱因子の圧力と温度の依存性をSPring-8で測定しました。エチレングリコールはグリセロールと似ていて、局所構造は圧力・温度との依存性は小さいことが分かりました。一方で、メタノールは典型的なvan der Waals液体のように、高圧又は低温で、第一散乱ピークがかなりシャープになる実験データが得られました。理論では、高精度且つ高速で液体のシミュレーションが可能な第一原理計算で訓練した機械学習ポテンシャルを、分子系液体に特化した形で、計算用のプログラムを開発しました。昨年度で開発したデータ同化手法と合わせて、三つの水素結合液体・ガラスのX線・中性子散乱実験結果の再現に成功しました。メタノールの大きい圧力・温度依存性は主にメチル基関の秩序化によるものであることが分かりました。グリセロール・エチレングリコールは高圧力下で、パッキングがよくなりますが、秩序化は発生しません。 年度後半は博士卒業し異動しましたが、前半と共通している第一原理計算手法で、半導体内の欠陥の物性を研究しています。 研究期間で、新しいシミュレーション手法を開発して、X線・中性子散乱実験と理論計算を通して、分子系液体・ガラスの局所構造の温度・圧力依存性を系統的に研究しました。重要な実験データを多数得られたほか、ガラス転移理論の中で重要なエントロピー理論の有効性を多くの場合で示しました。低温且つ高圧条件でのガラス転移は複雑で、より深い検討の必要性も示しました。開発した計算方法は全ての構造解析で活用できると期待できます。
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