Project/Area Number |
22KJ0585
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Project/Area Number (Other) |
21J20775 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島津 舜治 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 幹細胞 / 植物 / 維管束 / 植物ホルモン / 発光イメージング / scRNA-seq / 形成層幹細胞 / 二次成長 / 運命制御 / 維管束幹細胞 / 分化誘導系 / 1細胞解析 |
Outline of Research at the Start |
維管束幹細胞は多分化能を持ち、水分や栄養分の輸送管を構成する木部細胞・篩部細胞を継続的に生み出している。通道性を維持する観点から 、維管束幹細胞の分化運命は厳密に制御されていると考えられるが、その制御機構は依然として不明である。 本研究では、維管束分化誘導システム「VISUAL」と1細胞遺伝子発現解析を組み合わせ、維管束幹細胞が辿る細胞運命の変遷を高い解像度で解析し、多能性幹細胞の運命分岐を生み出す分子基盤への理解を深めていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物の維管束は、物質の輸送と力学的な支持という二つの役割を果たす。そのため、維管束植物の多くはまず一次成長で全身に維管束組織を張り巡らせ、続いて二次成長で維管束組織を放射方向へ肥大させる。この二次成長の原動力は維管束組織の内部に位置する形成層幹細胞であり、活発に分裂しつつ、維管束の構成要素である木部細胞や篩部細胞を生み出す。 本研究では形成層幹細胞の運命を制御するメカニズムの解明を目指し、昨年度までに維管束の発生をシロイヌナズナの子葉で再現できる「分化誘導系VISUAL」を用いたマルチオミクス解析を実施した。結果として植物ホルモンであるサイトカイニン(CK)が候補制御因子として抽出されたが、昨年度開発を完了した1細胞発光イメージングシステム(Shimadzu et al., 2022, QPB)を用いた解析や、VISUALの公開1細胞遺伝子発現データの再解析を本年度実施したところ、予想と反し、CKは形成層幹細胞をその前身である前形成層細胞から確立させる効果を持つことが判明した。 これまで、前形成層細胞は分裂活性こそ低いものの形成層幹細胞と同質の幹細胞であると認識されており、そしてCKは形成層幹細胞の分裂促進因子として知られていた。しかしVISUALを用いた更なる解析で、前形成層細胞は形成層幹細胞とは異なり、篩部分化こそ出来るが木部分化能を持たない細胞であることが分かった。シロイヌナズナの根で発光イメージングを実施したところ、CKは二次成長開始前に一過的な応答上昇を示し、そのタイミングに絞った応答の抑制は、二次成長開始の阻害に十分だった。これらを併せて、二次成長は維管束組織系の幹細胞の変調によって開始し、CKは幹細胞の変調をもたらすことで二次成長開始のスイッチのように機能することが分かった。上記の内容は論文化に向けてまとめを進めている。
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