Project/Area Number |
22KJ0591
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Project/Area Number (Other) |
21J20818 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡慶次 孝気 (2021, 2023) 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Research Fellow |
渡慶次 孝気 (2022) 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | インフレーション宇宙論 / 原始ブラックホール / 確率形式 / 特異摂動 / インフレーション / 宇宙論的摂動論 / ボレル総和法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、原始ブラックホール(PBH)の形成量が持つ不定性の克服を目的とするものである。とりわけ、揺らぎが確率的に振る舞うと同時にその非摂動的な扱いを可能とする確率形式と呼ばれる手法を用いて、PBH形成に至るような大振幅揺らぎの裾野が示す非ガウス性を実行的に記述する枠組の構築を目標とする。この枠組の下で、PBHの質量スペクトル関数がいかなる不定性を持ち、また観測的制限の下でいかように振る舞うのかを定量的に議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年度では,原始ブラックホール(PBH)の種である揺らぎの非摂動効果に焦点を当て,インフレーションの確率形式を駆使した研究に取り組んだ。場のダイナミクスを確率過程として記述する確率形式は,PBHの形成する宇宙等揺らぎの寄与が大きく非摂動効果が顕著となる場合に有用性を発揮する。 一つ目の研究では,膨張時空において赤外発散を示す相関関数に着目し,Borel総和と呼ばれる特異摂動の手法が有効に機能することを示した。すなわち,宇宙が平衡に至る過程で摂動論が破綻し,その時間発展を追うことが困難と思われていたが,Borel総和法によって定義される形式級数の再総和が緩和過程の物理的振る舞いを正しく引き出すことを示した。同時に,形式発散が誘導する特異点がBorel総和をwell-definedにする構造を持つことも示した。 二つ目の研究では,インフレーションが長時間持続する稀な領域,したがって非常に大きな体積を持つ宇宙での揺らぎの影響を調べた。制約付き確率過程の理論を一般化した上で揺らぎを確率形式で扱い,観測可能なスケールでは実行的に単一場インフレーションによる記述可能性が増加することを明らかにした。この結果は,素粒子物理に動機付けられたインフレーション模型が一般に複数場を伴うことに対して,観測結果がvanilla modelと呼ばれる簡単な単一場模型で説明される,という両者の懸隔に原理的説明を付すものである。
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