Project/Area Number |
22KJ0607
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Project/Area Number (Other) |
21J20947 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富永 愛侑 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | X線連星 / 輻射輸送 / 中性子星 / 円盤風 / 降着円盤 / ジェット |
Outline of Research at the Start |
ブラックホール等の降着円盤からの「円盤風」は、降着した物質の一部を加熱・加速して系外に放出する、物質・エネルギー再分配機構の重要 なチャンネルであり、恒星から超巨大ブラックホールまでの異なる階層で見られる普遍的現象である。X線連星は、超巨大ブラックホールに比 べて圧倒的に近い距離ゆえに高い光子統計が得られ、また伴星の観測から距離や軌道傾斜角によい制限がつけられるので、様々な不定性を排除 でき、円盤風の物理を理解する上で最適な観測天体である。本研究では、異なる特長を持ったX線天文衛星を用いて適切な観測とデータ 解析を行い、現在提唱されいてるモデルの選別をして円盤風駆動の物理的理解を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Circinus X-1(以下、Cir X-1) は、軌道周期16.6日の楕円軌道を持つ中性子星連星である。この天体は非常に若く、初期の連星進化を理解する鍵であると考えられる。しかし、そのX線変動は複雑であり、統一的な解釈には至っていない。我々は、NICERのX線望遠鏡を用いて、軌道全体をカバーする高頻度(~4時間毎)観測を提案し、データ解析を行なってきた。X線光度の変動の特徴から、stable期、dip期、flaring期に分割し、X線スペクトルを部分的に覆われた多温度黒体放射と、光電離プラズマによる放射からなるモデルで説明することに成功した。特に部分吸収体の変動が観測スペクトルに影響を及ぼすと考えられる。Mg、Si、S、Feの高階電離輝線が軌道周期を通じて観測された。特に、Feの輝線はdip期からflaring期への遷移の過程で吸収線に変化した。光電離度は軌道周期を通じて元素ごとに安定しており、光電離プラズマが軌道に安定して存在することが示唆された。我々は解析結果を踏まえ、方位角に依存して局在する物質が視線方向を遮ることによって、多温度黒体放射が部分的に遮られるというモデルを提案した。このモデルの妥当性を検証するため、代表的な特徴について、MONACO, SKIRTを用いた三次元輻射輸送計算を行った。
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