Project/Area Number |
22KJ0609
|
Project/Area Number (Other) |
21J20958 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二又 葉音 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 構造生物学 / タンパク質科学 / モータータンパク質 / 聴覚 / クライオ電顕 / 膜タンパク質 / 分子モーター / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / SLC26ファミリー / 構造解析 |
Outline of Research at the Start |
聴覚器官には音の振動を大きく増幅する仕組みがあり、prestinというモータータンパク質がその機能を担っている。Prestinは音声シグナルに同期した電位変化のエネルギーでモーター運動することで、外有毛細胞を伸縮させ、音によって引き起こされる振動を物理的に増幅させる。Prestinの機能欠損は難聴の原因となるが、これまでその分子構造や基質の作用部位は未解明であった。 本研究では、Prestinの構造をクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析で明らかにし、モーター運動に関わる生理基質の結合様式を明らかにした。さらに、中間状態の比較に基づき、電位依存的なモーター運動について動作メカニズムを提唱した。
|
Outline of Annual Research Achievements |
「聴覚シグナルの分子機構の解明」を目指し、タンパク質の構造およびその機能を解析する実験を行い、筆頭著者としてNature Communications誌に論文を掲載した。また、本年度にProtein Societyを始めとした国際学会で成果を発表したほか、日本結晶学会誌に記事を投稿した。さらに、日本学術振興会の若手研究者海外挑戦プログラムにより米国ノースウェスタン大学に留学し、聴覚シグナルに関連するタンパク質の機能に関してさらなる研究を行った。 聴覚は空気振動が耳で電気シグナルに変換されるメカニズムであり、内耳の外有毛細胞の伸縮運動によってごく小さな音まで感知することができる。この細胞伸縮を引き起こすモータータンパク質がprestinで、機能を欠損すると難聴の原因になることが確認されている。本研究ではクライオ電顕を用いた単粒子解析により分解能3.5~3.6Åでprestinの構造解析に成功し、モーター運動の動作モデルを提唱した。Prestinのモーター運動には複数の生理基質が関わっており、これらをそれぞれ加えた構造解析を行うことで、基質の結合がprestinのモーター運動を制御するモデルを提唱した。 さらに、外有毛細胞には、prestinの他にも聴覚機能に重要な役割を持つモータータンパク質、myosin 6が発現している。Myosin 6は、複数の難聴患者の報告から遺伝性難聴の原因であることが示唆されているが、そのメカニズムは未解明である。本研究では若手研究者海外挑戦プログラムによりノースウェスタン大学医学部への研究留学を行い、myosin 6の病原性バリアントについて機能解析を行った。その結果、細胞毒性が高まるmyosin 6の遺伝子変異を複数同定し、細胞毒性と遺伝形式の相関性に関する新たなメカニズムを提唱した。
|