Project/Area Number |
22KJ0623
|
Project/Area Number (Other) |
21J21339 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
顧 嘉晨 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 明の遺民 / 張斐 / 戴曼公 / 異域 / 華夷論 / 来朝明人 / 明末清初 / 漢籍 / 遺民 / アイデンティティー / 孤臣 / 王夫之 / 李楷 / 張振甫 / 陳元贇 / 華夷思想 / 東アジア / 東洋史 / 思想史 / 南明史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、思想継承の媒介として中国史上の「遺民」を研究することによって、遺民思想の継承を解明する。具体的には、広い時代範囲を含めて、「遺民」概念の形成、後世によって共鳴され、思い託された遺民の思想を、思想史、文化史、政治史、社会史の視点から考察し、遺民がどのように中国思想史に影響を与えたのかを明らかにすることを目的としている。すなわち、この研究では、遺民思想の継承を解明するために、中国史上の遺民を体系的に把握し、彼らの背後にある思想を考察することによって、中国思想史への影響を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、従来行ってきた、中国大陸に留まった遺民に焦点を当てた研究から一歩踏み出し、日本に来た明の遺民の事例を通じて、遺民思想の新たな研究可能性を探った。17世紀、中国大陸で起きた明清交替は、中国社会に大きな変革をもたらした。異民族の支配下で生き延びた明の遺民は、多くが「華夷の別」を重んじ、清の統治を拒否する立場を取った。彼らの中には、中国本土を離れて日本に亡命することで自らの夢を「異域」に託した者もいた。 また、前年度の研究成果を踏まえ、東京大学が開催した一般公開講演「10分で伝えます!東大研究最前線」において、「日の本:「明の遺民」のアナザースカイ」と題した講演を行い、朱舜水、陳元贇、戴曼公など明の遺民に関する研究成果を発表した。 さらに、明末清初に日本に亡命した遺民の一人、張斐の事例を詳しく分析することで、彼の華夷論の本質を明らかにし、当時の日中文人間の思想交流の一端を探った。浙江余姚出身で、朱舜水に憧れて二度長崎を訪れた張斐は、清末の中国革命家によって再評価されるまで、ほぼ無名だった。しかし、長崎での滞在中、彼は安東省菴や大串雪瀾などの日本の儒学者と文通や筆談を通じて交流しており、日本には彼に関する資料が豊富に残されている。本研究では、『霞池省庵手簡』、『莽蒼園文藁餘』、『張斐筆語』などの資料を基に、張斐の独自の華夷論を解明した。これらの研究成果を元に、東アジア日本研究者協議会で口頭発表を行った。その上で、「「異域道行」を望む遺老―張斐の華夷論について―」と題した論文を執筆し、『日本儒教学会報』第8号に掲載された。
|