Project/Area Number |
22KJ0641
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Project/Area Number (Other) |
21J21600 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山田 健太 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 有機化学 / ベンザイン / 超原子価ヨウ素 / 不安定化学種 |
Outline of Research at the Start |
超原子価ハロゲン基の高い脱離能を活用し、未踏ベンザインの効率的発生法を開発し、未解明の物理化学的性質を明らかにするとともに未知反応開発を目指します。申請者は既に、超原子価ヨウ素基を持つ前駆体を設計・合成し、条件を検討することで m-ベンザインが発生することを世界で初めて見出しています。本研究では、実験と理論によるベンザインの立体電子構造の真相解明を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
ベンザインはベンゼンから水素を二つ取り除いた化学種であり、三つの異性体が存在する。これらは非常に寿命が短く、不安定中間体として知られている。このうち、o-ベンザインは有用な合成中間体として古くから盛んに研究が行われてきたが、m-ベンザインでは大きな不安定化が起こり、o-ベンザインと同様の方法では発生できない。一般に、紫外光照射や強熱といった過酷な条件が必要となる。このような事情から、m-ベンザインの有機合成への応用例は極めて限定的である。そのためm-ベンザインの基底状態における基本的性質についての実験的検証が進んでおらず、有機合成への応用例に至っては全く知られていない。そこで本研究では、m-ベンザインを溶液中・温和な条件下で発生させる手法の開発と、それを利用したm-ベンザインの化学的特性の解明に取り組んでいる。 今回私は、超原子価ハロゲン基の高い脱離能を活用し、超原子価ヨウ素基を用いた前駆体の適切な設計・条件検討により、m-ベンザインを室温・溶液中で発生させることに世界で初めて成功した。また、未踏ベンザインの化学的性質の実験的検証を行うことに初めて成功した。 最終年度は本法を拡張し、超原子価臭素置換基を用いることでさらに温和な条件で発生が可能であることを見出した。また、それを用いることで更なるm-ベンザインの合成的な応用の可能性を見出した。そして、本研究に関する論文を国際紙に発表した。
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