Project/Area Number |
22KJ0731
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Project/Area Number (Other) |
22J00523 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
行田 康晃 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マルコフ方程式 / 団代数 / 交換箙 / ルート系 / 道代数 |
Outline of Research at the Start |
数学上の様々なところで現れる組み合わせ的な現象が「団と変異」の構造を持っていることを示したり、その構造の性質を代数的な観点から調べることが、本研究における研究内容である。そしてこの研究における大きな目標は、これらの作業を通して、様々な数学上の課題を団と変異による組み合わせ問題に落とし込み、解決することにある。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、マルコフ方程式の一般化である一般化マルコフ方程式の正整数解についての研究に大きな進展があった。一般化マルコフ方程式は非負整数x^2+y^2+z^2+k(xy+yz+zx)=(3+3k)xyzの形を持つ方程式で、その整数解が一般化団代数の構造を持つことが知られている。古典的なマルコフ方程式(k=0の場合を指す)は1880年代から研究されており、整数論にとどまらない数学上の様々な分野との関連性が指摘されている。この方程式の理論には、1913年にFrobeniusによって提示された「マルコフ数に関する一意性予想」と呼ばれる未解決予想がある。この予想は、マルコフ方程式の正整数解に現れる整数を任意に取ってきたとき、この整数(マルコフ数)が最大となるような正整数解は順番による差を除いて一意的に定まるという予想である。1990年代に、この予想はマルコフ数が素数冪である時の場合について部分的に解決されている。この解決手法には様々なアプローチがあるが、その中の1つにCohn行列と呼ばれる行列族の性質を用いるものがある。 私は、金沢大の丸山修平氏との共同研究により、このCohn行列を一般化マルコフ方程式にも適用できるように一般化し、これを用いてマルコフ予想に関する一意性予想の一般化バージョンを与えられた一般化マルコフ数が素数である場合について部分的に解決した。加えて、この数が素数冪の場合についてもkの条件によっては解決できるケースがあることも示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
団代数自体に関する研究はそこまで進まなかったものの、マルコフ方程式を一般化団代数の文脈で一般化した一般化マルコフ方程式の一般論の整備が進んだことは一般化団代数と一般化マルコフ方程式の関係性を考える上で重要な出来事であるといえる。特に、Cohn行列の一般化である一般化Cohn行列が構成されたことにより、この行列と団代数の関連を考えるモチベーションが生まれた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き一般化マルコフ方程式の研究を行う。古典的なマルコフ方程式で定義されているCohn行列は、双曲幾何や代数的な組み合わせ論とマルコフ数の間を繋ぐ重要な考察対象である。Cohn行列を一般化マルコフ方程式にも適用できるように拡張した本年度の研究は、一般化マルコフ方程式と双曲幾何、組み合わせ論の間を繋ぐ重要な行列となりうる可能性を持つ。したがって、今後は一般化マルコフ方程式と一般化Cohn行列を用いた理論の構築を目指し、またその中で団代数との関連性を探っていく。
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