Project/Area Number |
22KJ0737
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Project/Area Number (Other) |
22J00649 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
埴原 紀宏 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | Calabi-Yau完備化 / 双対化複体 / 反射的加群 / 擬アーベル圏 / Gorenstein環 / 遺伝的表現型 / 非可換クレパント解消 / 特異圏 / 団圏 / Cohen-Macaulay環 |
Outline of Research at the Start |
三角圏はホモロジー代数を展開する枠組みを与える、数学の多くの分野に現れる基本的な構造である。一方で三角圏のみでは、例えば種々の三角圏を関係づける操作が困難であるなど、構造が不足していることがよく知られており、従って様々な「増強」が必要とされる。 本研究の目的は、環の表現論及び関連分野に現れる三角圏をその微分次数付き圏(dg圏)による増強の立場から理解することである。特に三角圏のカラビ・ヤウ性の増強である、カラビ・ヤウ構造の理論を環の表現論の立場から整備し、これらの概念を有限次元代数・可換環の表現論における傾理論や団傾理論、さらに代数幾何など周辺分野へ応用することを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は微分次数付き圏のCalabi-Yau完備化や、(可換・非可換)ネーター環の非可換特異点解消の話題に関連して、主に以下の項目について研究を行った。 (1) Calabi-Yau完備化は微分次数付き圏(dg圏)の双対化複体を用いて定義され、Calabi-Yau構造を持つdg圏の普遍的な構成として、クラスター理論や表現論、あるいは代数幾何において重要な役割を果たす。本年度は双対化複体のべき根に対するCalabi-Yau完備化の構成を与え、この類似物がCalabi-Yau構造を持つための条件としてべき根の巡回不変性を定式化した。さらにべき根を用いた構成の応用として、付随するクラスター圏の構造をに関する結果および、Segre積における非可換クレパント解消の存在をCalabi-Yau完備化の立場から説明を与えた。 (2) 環上の反射的加群の圏は、(可換ネーター環のうち)整閉整域や、(非可換なアルティン代数のうち)Auslander代数など、異なる文脈で共通に現れる良い振る舞いを持つ圏である。さらに反射的加群の圏は、与えられた正規特異点の全ての非可換解消に共通する構造として有用なものであると期待される。本年度は両者の共通の一般化である(非可換)ネーター環上の反射的加群の圏を考察した。この設定において反射的加群の良い振る舞いを統制するホモロジー代数的性質として環自身の極小入射分解に関する条件を見出し、このもとで反射的加群の圏が良く振る舞うこと、特に擬アーベル圏になることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カラビ・ヤウ完備化のべき根類似について、それがカラビ・ヤウ構造を持つための繊細な条件を定式化することができた。また(可換)正規整域上の反射的加群の圏の良い振る舞いについて、非可換環に通用するホモロジー代数的な構造によって理解を与えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず今年度までに得られた結果をまとめるとともに、引き続きCalabi-Yau構造および関連する問題について研究を進める。例えば、非可換特異点解消を反射的加群の圏の完全構造の立場から理解することを試みる。
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