Project/Area Number |
22KJ0766
|
Project/Area Number (Other) |
22J10043 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 広人 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 情報設計 / 制度設計 / マッチング / サーチ理論 / information design / ゲーム理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、情報の流し方を設計し経済主体の行動に影響を与える、という情報設計理論の分析を行う。特に、時間を通じて情報を流す動学的情報設計において、目的とする結果を頑健に遂行する、という枠組みに注目する。戦略的補完性の下で特定の行動を導くことを目的とした時に、頑健な動学的情報構造の中で最適な結果を特徴づけ、情報設計理論に新たな知見を生むことを目標とする。
また、特定の現実問題に焦点を当てながら最適な情報構造と現実への示唆を分析する、情報設計理論の応用研究を行う。特に、学校選択等を応用先として含むマッチング理論や、消費者の探索と購買行動を分析するサーチ理論などのモデルに情報設計を応用した分析を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は、情報の流し方を設計し、主体に望ましい行動を取らせるという情報設計理論の基礎理論および応用理論の発展に貢献することを目標としていた。主に初年度には基礎理論への発展のために、時間を通じて情報を流すような動学的情報設計を利用することで、望ましい均衡結果を複数の主体の協調による均衡選択に対して頑健な遂行を、より行いやすくする、という枠組みを分析した。時間を通じない静学的情報設計の枠組みと比較し、特定の目的関数を持つどれくらい情報設計者にとって目的とする結果を頑健に導けるようになるのか、ということを当該研究が明らかにした。これらの知見は国際専門誌に投稿し既に掲載されている。一般にどのような均衡結果を頑健に遂行できるのか、という特徴付けは今後の課題の一つである。
初年度の後半から次年度においては、応用研究を目的として、学校選択等のマッチング市場、オンラインプラットフォームにおける消費者の探索行動、における情報設計を分析した。これらの分析の中で、マッチング理論における情報設計やサーチ理論における情報設計、という基礎理論が既存研究では明らかにされていない、ということが分かり、それらの応用研究を目的とした基礎理論の分析に取り組んだ。これらの研究によって得られた知見は、現在国際専門誌によって査読を受けている段階である。
これらの分析によって、マッチング理論における情報設計はモデルの複雑さから、今後現実の制度設計に貢献するためにはシミュレーション等の分析が必要であると考えている、一方、サーチ理論では、まだ理論分析によって明らかにできることが残っていると考えている。例えば、どんな探索行動が探索中に得られる情報に応じて起きうるのかという特徴付けや、最終的な意思決定として特定の選択肢を選ぶ確率の上限の導出、などは現在進行中の分析であり、今後の発展が期待される。
|