Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Outline of Research at the Start |
癌細胞などの人体の異常な組織は正常な人体組織と比較して電気特性が異なることが知られており, 人体内部における導電率や誘電率を画像化することによって医療診断に応用できると期待されている. 特に近年, MRI を用いて計測した磁場から計算によって人体組織の電気特性を画像化する技術が研究されている. しかし, 計算過程で生じる誤差が大きく臨床への応用には至っていない.本研究では, 新たな計算アルゴリズムの開発により, 臨床応用に対して十分な精度の電気特性画像を安定して取得することを目指す. 特に, MRI で計測される不完全な磁場情報を計算によって完全な状態に復元することでこれを達成する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
MRI によって計測した人体内部の磁場から電磁場の方程式を解くことで人体内部の電気特性を画像化する, Magnetic Resonance Electrical Properties Tomography (MREPT) において, MRI で計測不可能な磁場成分が存在することによる再構成誤差が問題となっていた. 前年度において, MRI で計測した磁場から上記の磁場成分を推定するアルゴリズムを提案した. 最終年度では, 磁場推定アルゴリズムと我々が従来提案した MREPT の手法を組み合わせることによる電気特性画像の高精度化について, その有効性を整理し対外的に発表した. また, MREPT の再構成手法は, 本来推定対象である関心領域境界の電気特性値を仮定する必要があり, この点は臨床応用を想定した際の大きな問題であった. 最終年度において, 境界の電気特性に関する方程式を解くことで計測磁場から境界電気特性値を推定する手法を開発し, その有効性を数値シミュレーションおよび生体ファントムに対する実験データを用いて検証した. さらに, MRI を用いることで人体内部の相対温度の計測が可能であり, 計測温度から生体内の熱伝導の方程式を解くことで人体内部の熱特性を画像化する研究が存在する. 最終年度において, 上記熱伝導の方程式と MREPT の支配方程式の類似性に着目し, MREPT において我々が提案した解法を応用することで, 熱特性画像化の従来手法よりもノイズに頑健な再構成が可能な手法を開発し, 数値シミュレーションにおいて有効性を検証した. したがって, 研究期間全体を通じて, MREPT の問題点を解消し臨床応用可能な MREPT の枠組みを確立した. さらに, MREPT において培った解法を熱特性画像化という別のモダリティに対して拡張した.
|