Project/Area Number |
22KJ0794
|
Project/Area Number (Other) |
22J11200 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
来田 真友子 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | マクロファージ / 心臓発生 / 神経堤細胞 / リンパ管 / 心臓 / 発生 |
Outline of Research at the Start |
発生期の心臓においてマクロファージが出現することが確認されているが、その役割は不明である。近年我々の研究により、発生期心臓のマクロファージは神経堤細胞の近傍に分布すること、同領域の神経堤細胞はマクロファージを誘導する因子を発現していることや、神経堤細胞除去胚・マクロファージ除去胚ではいずれも心臓表面を走行する脈管の形成異常が生じることが明らかとなった。 そこで本研究では、マクロファージの単一細胞トランスクリプトーム解析、細胞培養実験、鳥類胚の胚操作実験などを用いて、発生期心臓の冠血管・リンパ管形成におけるマクロファージの新規役割を神経堤細胞との相互作用に着目して明らかにすることを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
心臓は様々な組織に由来する複数の細胞群により形成される臓器であり、その発生の過程において免疫細胞であるマクロファージ(MP)が出現することが報告されている。MPには様々なサブタイプが存在することや、組織修復に寄与する組織常在型MPの多くが胎生期由来の組織に由来することを考慮すると、発生期心臓MPは骨髄由来の炎症型MPよりも組織常在型MPに近い性質を持っているのではないかと考えられた。当研究室にて、MPは神経堤細胞(NCCs)が主に分布する領域に寄与すること、マウス胎仔心臓由来NCCsのscRNA-seq解析から一部のNCCsがMP誘導因子を発現していることが判明したことから、我々はMPとNCCsの関係に着目し両者が心臓発生において担う役割を探索した。 遊走前の前耳胞神経堤細胞(preotic NCCs)を除去した鳥類胚を作出すると、除去胚では心臓内MPの分布が変化し、心臓表面に走行する冠血管・リンパ管の異常な走行を認めた。異常なリンパ管の伸長予定領域ではMPが有意に減少していた。一方、全身性のMP誘導因子(Csf1)変異マウスでは冠血管の分岐異常が報告されており、クロドロン酸の投与により作成したMP減少ウズラ胚でもリンパ管の走行異常が認められた。NCCs除去鳥類胚と、MP減少マウス・ウズラ胚での表現型は脈管の分岐・伸長異常という点で類似しており、NCCsとMPの両者を介した脈管形成制御機構の存在が仮説立てられた。 発生期縦隔領域に寄与するCsf1r-lineage細胞のscRNA/ATAC-seq解析では、MPの多様なサブセットとともに心外膜様の遺伝子発現パターンを呈する細胞や未分化ミエロイド系細胞の存在が明らかとなり、NCCsがMPの分化・誘導を制御することで脈管の形成に関与している可能性や発生期心臓内におけるMPが他の細胞と連携して心臓発生に寄与していることを示した。
|