Project/Area Number |
22KJ0998
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Project/Area Number (Other) |
22J20070 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中越 亜理紗 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | イザベラ・バード / アヘン戦争 / オリエンタリズム / コンスタンス・ゴードン・カミング / アジア交流史 / イギリス文学 / 旅行記 / ヴィクトリア朝 / 東アジア / ポストコロニアリズム |
Outline of Research at the Start |
申請者の研究対象はヴィクトリア朝のイギリス人女性旅行家や女性作家による東アジア・アジア人表象である。本研究では大英帝国のヘゲモニーが席巻した時代におけるイギリス対アジアという敵対関係や上下関係の一般的な見取り図を、男性中心主義的な社会において周縁化されていた女性達のテクストを読みクリティカルに見直す。そこで注目するのはイギリス人女性達と東アジアの人々との間に育まれた友情や敬意や礼儀作法といった個人間での対等な関係性である。一方で異文化間の交流には衝突や偏見などの困難が付き物であり、友好的な体験だけでなく彼女達が如何にそのような問題をテクストに落とし込んだかというのも現代に通じる研究価値がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は中国や韓国に調査に赴くことができ、国内の学会発表を2件、国外での学会発表を1件行なった。①日本英文学会の全国大会において、イザベラ・バードの日本紀行における服飾の問題を扱った。バードが明治時代の日本と日本人を理解し解釈するための媒介としてファッション文化がどのように機能するかを、『日本奥地紀行』およびイラストや写真などの他の資料証拠を アイデンティティ、ジェンダー、オリエンタリズムなどの視点から分析した。②第15回アジア交流史研究会において、本件についてのみ協力を得た研究者(オックスフォード大学博士課程・劉洋)と合同発表。アヘン戦争期の中国において英国船が寧波付近で難破。船長の妻アン・ノーブ ルが清側に捕われたところ、英国の王女と誤認され、噂に尾鰭がついて訛伝が日本にまで伝播し た。どうしてそのような事態となったのか解明を試みた。また、本発表に基づいた共著論文が先日査読を通過し、2024年夏頃に国内の学術誌に掲載される予定である。③シンガポールで行われた19世紀学の国際学会で発表。ヴィクトリア朝の旅行家であったコンスタンス・ゴードン・カミングの中国滞在記における中国人官僚・張鶴齢とその夫人との交流について分析。中国の現地人に対して必ずしも友好的でなかった彼女が、彼らとは非常に敬意と文化的理解に富んだ関係性を 育んだ経緯を考察。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表の機会は順調に有効活用しており、論文も査読を通過するなど進捗はあるが、国際誌への投稿はまだ実現していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も論文の投稿を続け、研究を深化させる。そのうち本として出版できるような内容を構築していきたい。
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