Project/Area Number |
22KJ1013
|
Project/Area Number (Other) |
22J20464 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
貝塚 啓希 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 寺院組織 / 東寺 / 院家 / 惣寺 / 供僧職 / 観智院 / 荘園 / 寺院法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は中世寺院の組織について、東寺を対象に検討しようとするものである。中世東寺は荘園領主、密教教学の中枢、公武祈祷の担い手など、多様な面をもつ権門寺院であった。現代に伝わる「東寺百合文書」をはじめとする膨大な文書群は、その内容の豊富さから日本中世史のあらゆる研究分野において史料として活用されてきた。本研究では、それら文書を伝え残した東寺寺僧組織の在り様を明らかにすることを目指す。近年他寺の研究では寺僧の住坊である院家に着目した議論が活発であるが、本研究でもそうした視角に学びつつ、寺僧組織の通時的変化や、経済構造と組織との関係、寺院社会における東寺の独自性などについて解明することを課題とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き、院家・惣寺の両側面から中世東寺の寺院組織を検討した。 まず、院家・惣寺の成立期における組織運営の様相を検討した。文書形式と組織運営方式の関連や、その変化の背景について考察し、その成果は日本古文書学会学術大会にて報告した。その内容は京都府立京都学・歴彩館における原本料紙調査などを経て、雑誌論文として投稿中である。 次に、東寺院家のひとつ観智院が蒐集・所有した南北朝期の『天台座主記』写本について、昨年度に続き後半部分の翻刻と紹介を行い、東京大学日本史学研究室紀要に発表した。東寺院家の所蔵資料についてのみならず、延暦寺の寺院組織についても新たな知見を示しうる重要な史料である。 他に山梨県内の臨済宗寺院において所蔵資料を調査する機会、和歌山県内の高野山領荘園故地を調査する機会を得た。前者については来年度に成果が公開される予定である。東寺は京都に密着した中央寺院であるが、地方寺院にも視野を広げることができた。他寺との比較検討は申請時にも挙げた課題のひとつであり、今後も継続していきたい。 前年度に東京大学中世史研究会・東京大学史学会にて報告した、惣寺が成立していく経緯については論文を投稿中である。また前年度に今後の課題として①寺官に関する考察、②荘園・寺院法の観点からの検討、③戦国期東寺組織の検討、の三点を挙げた。①については検討を開始した。②については、一部盛り込んだ論文を投稿中である。③については未検討であり、来年度以降の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に続き、調査も行いつつ南北朝期寺院組織の検討を進めることができた。またその成果について、論文投稿・研究報告等も行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、前年度は課題として①寺官組織の検討、②荘園・寺院法の観点、③戦国期の寺僧組織、の三点を挙げた。これらについては引き続き検討を進めていきたい。またほかに、寺内における宗教活動の観点も加え、より多面的に東寺組織を検討していきたいと考える。 論文投稿も継続して進めていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)