Project/Area Number |
22KJ1145
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Project/Area Number (Other) |
22J22969 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 京花 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 典型元素化学 / 光反応 / 有機ゲルマニウム化合物 |
Outline of Research at the Start |
14 族元素(ケイ素・ゲルマニウム・スズ)は炭素の同族元素であり、その特性を利用することで、生理活性物質・医薬品・材料分子へ新たな可能性を拓くと期待されます。本研究では、14 族元素反応活性種の励起状態を設計・積極利用することで、従来法では困難であった「多重結合、安定 σ 結合、芳香族 π 結合などの不活性結合に対する、14 族元素の導入反応」の開発に挑みます。さらに、「医薬品や機能性分子への late-stage 14 族元素導入法の開発」「14 族元素の物理化学的特性を活かした機能性分子の創出」「本手法を周期表横断型元素化学に拡大応用する」ことを視野に研究を展開します。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゲルマニウム (Ge) は炭素と同じ第 14 族元素であり、高周期元素でありながら炭素と安定な結合を形成できる数少ない元素です。同族のケイ素 (Si) とスズ (Sn) の間に位置し、ケイ素よりも脂溶性が高い一方で、スズとは異なり毒性が少なく、生理活性物質の部分構造として活用された例も知られています。近年、有機ゲルマニウム化合物の C-Ge 結合を C-C / C-O 結合などへと変換する手法も開発されており、新たな合成中間体として期待されています。しかしながら有機ケイ素化合物や有機スズ化合物と比較して、有機ゲルマニウム化合物の合成化学は未だ未成熟であると言えます。 当該年度、ジゲルマン (Ge-Ge) と強塩基から系中にて発生させた有機ゲルミルアニオン種を利用する、末端アルキンのジゲルミル化反応を開発しました。また有機ゲルミルアニオン種のさらなる利用を目指し、検討を行った結果、塩基の調節によってアルキンのトリゲルミル化反応が進行し、これが複数の基質に対して適用可能であることを見出しました。本反応は、安定な試薬と簡便な操作によって、これまでに合成例のない化合物を与える有用な反応であり、有機ゲルマニウム化合物の新たなケミカルスペースの拡張に成功しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、系中発生させた有機ゲルマミルアニオン種を利用する末端アルキンのマルチゲルミル化反応に成功しました。簡便な操作によってこれまでに合成例のない化合物の創出に成功しており、当初の目的以上の成果を得ています。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本反応の応用可能性を探るべく、医薬品や機能性分子への late-stage 14 族元素導入に挑戦します。また合成した有機ゲルミル化合物を足がかりとした変換反応の開発も行います。
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