Project/Area Number |
22KJ1204
|
Project/Area Number (Other) |
22J12708 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
|
Research Institution | University of Toyama (2023) Tokyo Medical and Dental University (2022) |
Principal Investigator |
真中 智世 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 特命助教
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ステンレス鋼 / 局部腐食 / 表面処理 / 腐食 / 電気化学 / レーザ |
Outline of Research at the Start |
ステンレス鋼は、医療用材料として体内埋入部材から手術器具まで幅広く使用されている材料である。しかし、生体内を含む塩化物イオン存在環境下で局部腐食を生じることが課題となっている。生体内での局部腐食の発生は、デバイスの劣化だけでなく、金属アレルギーの原因となる。本研究では、腐食因子の形成を抑制するレーザ熱加工と腐食因子を除去する電気化学的処理の組み合わせによって、ステンレス鋼の新たな高耐食性化技術の開発を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ステンレス鋼は、医療用材料として体内埋入部材から手術器具まで幅広く使用されている。しかし、生体内のように塩化物イオンを含む環境では局部腐食を生じる可能性があり、これが課題となっている。医療用機器における局部腐食の発生は、デバイスの劣化や強度の低下だけでなく、金属イオンの溶出による金属アレルギー発症のリスクがある。ステンレス鋼における孔食発生は、材料表面に露出した介在物が起点となる。本研究では、腐食を誘発する介在物を減少・除去することでステンレス鋼の耐食性を飛躍的に向上させる新規プロセスを開発することを目的とした。 ステンレス鋼表面に露出する腐食誘発性介在物を減少・除去する手法として、①レーザ熱加工と②電気化学処理に取り組んだ。①レーザ熱加工では、市販の板材に複数の出力および走査速度で直線的にレーザを照射した。ステンレス鋼種の中で最も耐食性が劣るマルテンサイト系ステンレス鋼に対してレーザ熱加工を行ったところ、表層は熱エネルギーの付加によって溶解し、腐食誘発性介在物が母材内に固溶した後、急冷凝固によって介在物の形成が抑制された表面が形成された。レーザ熱加工後の耐食性はオーステナイト系ステンレス鋼レベルまで向上した。②電気化学処理では、酸性溶液中で電位と電流の両方を制御した電解処理によって、腐食誘発性介在物の溶解の誘発(Step1)と溶解反応の停止および不働態皮膜の修復(Step2)を繰り返す処理を考案した。この電気化学処理をオーステナイト系ステンレス鋼に対して行ったところ、腐食性の高い環境においても熱力学的に最大の耐食性を示す表面に改質された。 以上のように本研究では、2つのアプローチからステンレス鋼の耐食性を向上させる新規プロセスの開発に成功した。
|