Project/Area Number |
22KJ1310
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Project/Area Number (Other) |
22J14039 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 和明 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 惑星形成理論 / ダスト進化 / 隕石 / 同位体二分性 / 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / ダスト / 太陽系形成理論 |
Outline of Research at the Start |
太陽系形成初期の固体進化を知る手掛かりとして隕石が注目を集めている。近年の隕石の研究から、太陽系の天体形成は木星のような重い惑星が既に形成されていた中で行われたとする重要な仮説が提唱されている。しかし、早期木星形成説は作業仮説であり、具体的な早期の木星形成のプロセス自体も不明である。この課題を解決すべく、本研究は星形成からその後の数百万年にわたるガス円盤内の固体進化と小天体形成を一貫して取り扱うモデルの構築を古典論と最新の磁気流体力学計算に基づいて行う。本モデルによる計算と隕石の比較により、太陽系形成が木星の存在下で行われたかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、分子雲コアの同位体不均質が太陽系形成初期のガスとダスト進化によってどの程度、隕石に引き継がれるかを明らかにする研究を行った。時間的問題等から、磁気流体力学を元にした最新の円盤形成モデルでなく、古典的なモデルを用いて円盤形成段階のガスとダストのダイナミクスによる同位体比の空間変動を調べた。その結果、原始太陽系円盤形成段階のガス進化が、分子雲コアの同位体不均質が隕石母天体に引き継がれる上で重要となることが明らかとなった。特にガス進化のうち、円盤の拡大を促進する重力不安定性が重要であることも分かった。これらの成果は隕石の同位体異常が太陽系における若い円盤の形成過程を反映している可能性を示し、原始太陽系円盤の形成を理解する上で重要となるだろう。本研究の成果は国内会議で発表した。
また本年度は、昨年度から行なっている木星存在下でのダスト輸送によるクロム同位体比不均質の維持に関する研究を国際会議で報告した。国際会議等での議論を踏まえて、本研究の内容を論文にまとめ、国際誌に投稿した。本年度での論文の受理は叶わなかったが、査読を経て、改訂投稿を投稿済みである。
期間全体を通じて、太陽系形成初期段階のガス・ダスト進化と隕石の同位体比を結びつけ、太陽系初期の固体進化を明らかにする研究を行った。隕石の同位体異常は太陽系形成を明らかにする上で重要であるが、ダスト進化から整合的に同位体比を調べた研究は少ない。そのため、本研究が構築したモデルや結果は重要となるだろう。特に本研究では、ダストサイズ分布とクロム同位体比の進化モデルを新たに構築した。これにより、早期木星形成説でのダスト進化が、隕石の同位体不均質と整合号的かをクロム同位体比の観点から初めて明らかにすることができた。本モデルをもとに、早期木星形成説でのクロム以外の同位体の変動を調べることで本説を詳細に検討できる。
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