Project/Area Number |
22KJ1344
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Project/Area Number (Other) |
22J23301 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
殿山 俊吾 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 火砕流 / 火砕サージ / LES / 粒子重力流 / エントレイメント / 熱傷 / 沈降速度 |
Outline of Research at the Start |
灰粒子や微細火砕物から構成される火砕サージは高速・高温を兼備した破壊的な流体であり、直近十年で起きた事例では1000人以上の犠牲を出すなど火山災害の中でも特に危険なものである。一方で火砕サージについて定量的な知見の不足から人体や建物に対する危険性は過小評価されている。本研究の目的は、適切な防災計画策定に必要なハザードマップの作成を目指した、高精度・高速・高解像度な火砕サージ流動モデルの開発と火砕サージによる人体への危険性を解明することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では適切な防災計画策定に向けて、火砕流による熱傷・流動圧・灰吸入の危険性を解明を目指している。まず、火砕流内部における粒子の挙動について、追加で実験を行った。火砕流を含む重力流では、周囲流体を取り込むエントレイメント(連行)と呼ばれる現象が流動において重要な役割を担っていると考えられている。特に火砕流のように内部における粒子の振舞いが支配的なものを粒子重力流と呼ぶが、粒子重力流でのエントレイメントの影響についての検討例はほとんどなかった。そこで、ダム崩壊実験を行い粒子重力流の流動過程について、解析を進めた。粒子としてシリコンカーバイトを用意し、六種類の粒径で上述の実験を行った。体積の増加が沈降速度により支配されることを示し、一般的なboxモデルと異なり粒子の沈降とエントレイメントを考慮した新たな現象論モデルは、体積と先端部の位置、流れの最終到達距離を良好に再現した。上述の内容はJournal of Fluid Mechanicsに投稿予定である。 次に、火砕流を対象とし三次元乱流モデルを開発し、実験データを基に解析を加え提案されたベンチマーク問題を解いた。開発したモデルは先端部位置、高・低密度流の高さを高精度で再現し、従来考えられていなかった流動における三次元性の影響について示すことに成功した。また、連行則について得られたデータは他の実験データと比較しても妥当な値であることが確認された。上述の成果はBulletin of Volcanologyに投稿予定である。最後に、この結果を踏まえ流体―人体連成モデルの開発した。過去の噴火災害を対象として危険性を評価し、地形による温度低下、火砕流内部での曝露について検討を進めている。この結果の一部は国際学会にてポスター発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では人体の危険性評価は二年目前半までに解析を終わらせる予定であった。しかし、三次元モデルの更なる解析、そしてエントレイメントの解明に関する追加の実験とモデル化のため、その解析が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の二報について、早期に投稿を済ませる。これと並行し、人体の火砕流内部での曝露について検討を進め、火砕流による危険性評価に関する論文の投稿を目指す。
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