Project/Area Number |
22KJ1431
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Project/Area Number (Other) |
22J13440 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
大間々 知輝 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | X線天文学 / 統計 / 時系列解析 / ブラックホール / X線連星 / データ科学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ブラックホールX線連星の周辺構造をスペクトルとタイミングの同時解析から解明することであり、長年対立するランプポスト説と円盤風説に決着をつけることが具体目標である。ブラックホール近傍で発せられた光は、一部が反射され観測者に届く。この反射成分の時間変動が形成される場所が2説の本質的な違いである。この2つの仮説を観測データ解析・モデリング、観測装置較正、物理シミュレーションで検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホール連星から放射されるX線の1つ1つにエネルギーと時間の情報が付与されるのが、これらスペクトルとタイミングの情報はこれまで別々に扱われている。これらのエネルギーとタイミングの同時に扱う手法の開発と天体への適用から従来よりも深い情報を抽出することが本研究の目的である。従来の方法では時間かエネルギーのどちらかに着目して積分することで情報を削減する代わりに、統計の良いデータの解析を行うことに比重が置かれてきた。しかし、2017年に打ち上げられたNASAのThe Neutron star Interior Composition Explorer(NICER) 装置の広大な有効面積によってエネルギーと時間のどちらにおいても質の高いデータを取得することが可能となり、データの質的な観点からは同時解析が十分可能となった。しかしこれの解析手法は確立しておらず新たな解析手法の開発が必須であった。本研究では、これらの時間もしくはエネルギー積分をどちらかの方向に特化するのではなく2次元のヒストグラムとして扱うことで同時解析を行い、その解析手法として統計モデリングを採用することで同時解析手法の開発を行った。具体的には2次元ヒストグラムは多変量時系列とみなすことができることから状態空間モデルによる定式化を行った。この手法のポイントとして、観測した多変量光度曲線からエネルギースペクトルで推定した物理成分の変動を潜在変数として推定できることが挙げられる。これによって本来興味のある物理成分の変動からブラックホール連星のダイナミックな周辺構造の議論が可能となった。この成果はX線によるブラックホール連星の解析のみならずエネルギーと時間の情報が得られる天文学のデータ全般に適用可能な手法である。
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