Project/Area Number |
22KJ1471
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Project/Area Number (Other) |
22J00894 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 紗紀子 金沢大学, 国際基幹教育院GS教育系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 情報 / 行為論 / 消費 / 義務概念 / 非意図的行為 / 線形論理 |
Outline of Research at the Start |
「ある出来事が別の出来事についての情報を担う」というような仕方で言い表される情報のフローは、情報の哲学の分野などを中心に、その仕組みについての研究が行われている。 この情報フローは、新しい情報を生み出すことに繋がり、行為者の情報状態を変化させ、そしてその行動の選択に影響を与えることになる。これは情報のフローに伴い、行為者が持つ行動の選択肢の可能性が(一般的には)広がることを示している。このとき、情報概念と可能性概念との間にはサイクルが存在すると考えられる。 本研究は、そのサイクルについての考察を行い、義務や許可概念との間の関係を明らかにすることを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報の利用や消費と、行為の可能性との間の関係を明らかにし、義務・許可の概念についての考察を行うことである。 本年度の研究では、非意図的行為を扱ういうる論理体系としてどのようなものを考えうるかということについて考察を行った。非意図的行為は、本来生じることが意図されていないような行為と考えてよい。この非意図的行為は、情報の利用という観点に着目した行為に際しても生じうる可能性がある。情報の利用という点に着目しようとする場合には、これまでには考えられていなかったような観点から非意図的行為について考え直す必要がある。そのため、情報を利用することに関わる行為についての分析とともに、非意図的行為についても考察を行うことで、情報概念が持つ性質の一側面を明らかにすることができると考えられる。 意図的行為については、すでにM. ブラットマンの意図の理論に基づいて、信念・欲求・意図の概念を扱うことのできるBDI論理などの論理体系が提案されている。本研究では、このBDI論理を参考にすることで、非意図的行為を扱うことのできる論理体系を提案しうることを指摘した。この考察に基づき、非意図的行為とそれを扱いうる論理体系について発表を行った。 また、L. フロリディによって導入された、倫理的行為を情報的観点からモデル化するオブジェクト指向プログラミングモデルについての考察を、これまで研究してきたJ. バーワイズとJ. セリグマンによって与えられた情報フロー理論以外の観点から行った。そのことにより、オブジェクト指向プログラミングモデルがより広い倫理的行為の分析に用いることが可能であることを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 非意図的行為についての分析が情報概念についての分析に新たな観点を導入しうることを明らかにすることができた。情報の利用可能性という考え方が、行為についての考察の際に、これまでにはなかった考察の観点をもたらしうる。 (2) 非意図的行為についての分析を論理的な観点からも行うことが可能であることを明らかにした。情報概念や義務・許可の概念などは、論理的な分析がすでに行われている。非意図的行為についても論理的に分析可能であることを指摘できたことで、それらの概念との間の関係についての分析を行う際に、論理的な観点からも考察を行うことが可能となりうる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、引き続き、オブジェクト指向プログラミングモデルと情報概念との間の関係について明らかにしていく。その考察を手がかりに、非意図的行為と情報概念との間の関係についての考察を行い、論文を執筆する予定である。 さらに、昨年度まで行っていた、情報フロー理論に関わる研究についても、本年度の研究内容を踏まえ改めて検討し、情報の産出や消費とその情報を用いて行う行為との間の関係を明らかにしていく。 また、非意図的行為の論理的な分析についても、BDI論理以外の論理体系なども参考にしつつ考察を行うことで、論文を執筆することを目指す。
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