遷移問題に基づいた新たなアプローチによる,多面体と展開図の関係の解明
Project/Area Number |
22KJ1480
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Project/Area Number (Other) |
22J10261 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 60010:Theory of informatics-related
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鎌田 斗南 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 再折り遷移 / 再折り不可能性 / 再折りの万能性 / Computational Origami / Computational Geometry / Polyhedra / Unfolding |
Outline of Research at the Start |
本研究では、多面体の展開図を理解するための新たな手法を確立する。展開図とは、多面体の表面を(辺に限らず)自由に切り開いて得られる多角形の事である。再折りとは、多面体から展開図を作り、それを折り直すことで異なる多面体を得る操作の事である。再折りは「多面体を、合 同な展開図を持つ多面体に変形する操作」と見做せる。本研究では、多面体の集合上で再折りによる遷移問題を考えることで、展開図の性質を明らかにする。遷移可能性にはアルゴリズムの観点から、遷移不可能性には幾何学的な不変量の観点から、それぞれ考察を行う。これにより、「2つの異なる正多面体は一度の再折りで変形可能か」という重要な未解決問題を解決する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本計画に沿った2件の研究と、新たに加わった2件の研究に取り組んだ。 前者は、再折り可能性の万能性の証明と不可能性証明についてである。 再折り可能性の万能性については、昨年度の時点で「任意の凸多角形二面体は、凹多面体を経由 することで、頂点数の線形回の再折りで互いに再折り遷移可能」という結果が得られていた。これに対して、今年度はより研究を進めることで、「任意の2つの多面体は、凹多面体を経由するこ とで、2stepで再折り可能」という結果を得ることができた。この結果は、来年度以降に発表される予定である。再折り不可能性については、昨年度時点での「特定の三角形二面体の間には、 頂点数300以下の共通展開図が存在しない」という結果をより拡張するべく議論を行った。有効性が見込まれる方向性は見出されているものの、現時点での頂点数の制約ない不可能性証明は完了していない。 新たに加わった研究としては、直方体の展開図の効率の良い列挙についての問題と常に重なりを持たない展開が可能な多面体の特徴づけについての研究を行った。これらは、本研究で扱う再折り可能性の前提となる「多面体の展開可能性」について、数学と計算機科学の両方の両面から理 解を深めたものであり、本研究の今後の発展に重要な足掛かりを得ることができた。 本研究を通して、再折り可能性の基本的性質に対する理解と、さらなる理解の深化のための技術基盤の理解は十分になされたと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)