Project/Area Number |
22KJ1553
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Project/Area Number (Other) |
22J12988 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉澤 直斗 (2023) 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Research Fellow |
杉澤 直斗 (2022) 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マイクロフロー / ペプチド / アミノ酸N-カルボン酸無水物 / Leuchs法 / アミノ酸-N-カルボン酸無水物 / 酸塩化物 |
Outline of Research at the Start |
アミド化反応は医薬品化学において最も多用される反応である。この要因の一つとしてペプチドが医薬品に頻出する骨格であり、その合成にアミド化反応が使用されていることが挙げられる。ペプチド鎖伸長のためのアミド化反応は、化学量論量の縮合剤を用いてアミノ酸を一残基ずつ連結していく手法が主流だが、ペプチド鎖伸長には脱保護工程も要するため、廃棄物を多く排出する。本研究では、求核性と求電子性を併せもつアミノ酸-N-カルボン酸無水物(NCA)を用いたペプチド合成に焦点をあて、マイクロフロー合成法の高速混合を駆使することで、NCA由来の副反応を回避して短時間かつ低コストの汎用的ペプチド合成法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
一般的なペプチド鎖伸長は、アミノ基を保護したアミノ酸の活性化体とカルボキシル基を保護したアミノ酸またはペプチドとの縮合工程と保護基の除去工程を繰り返す。本手法は多工程を要し、全工程の約半数を保護基の除去工程が占めることから、多量の廃棄物を排出することが問題となっている。昨年、求核性と求電子性を併せもつアミノ酸N-カルボン酸無水物(NCA)を用い、短工程かつ少量の廃棄物しか排出しない二残基ずつのペプチド鎖高速伸長法を開発した。また、開発した手法により多様な官能基を含む計17種類のトリペプチドを良好な収率から高収率で合成した。本年は見出した条件に基づき、オクタペプチドのBeefy Meaty Peptide(BMP)の全合成を検討した。検討の結果、開発した手法を3回繰り返すことでヘプタペプチドを合成でき、混合炭酸無水物法によりオクタペプチドを合成できた。最後に主鎖および側鎖の保護基を全て除去することで、BMPの全合成を達成した。NMR解析において、合成したBMPと市販品のBMPは良い一致を示した。また本合成において、カラム精製は最終工程のみであり、それ以外の工程は分液操作と再結晶操作のみで目的物を精製した。 昨年度に開発した手法はNCAを事前に調製し、トリペプチド合成に使用していた。しかし、NCAは不安定で長期保存が困難であるため、NCA調製を含めたワンフロートリペプチド合成を検討した。具体的には、NCAの代表的な調製法の一つであるLeuchs法を利用し、上述したトリペプチド合成の実現を目指した。検討の結果、Boc-アミノ酸を第3級アミン存在下で塩化チオニルと反応させると、速やかにNCAに変換されることが分かった。この発見により、入手容易な3種類の市販アミノ酸からのワンフロートリペプチド合成を実現できた。
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