環境・行動・ストレス計測による、海鳥の採餌戦略および繁殖戦略の解明
Project/Area Number |
22KJ1560
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Project/Area Number (Other) |
22J14219 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小山 偲歩 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 海鳥 / バイオロギング / 採餌行動 / 酸化ストレス / オオミズナギドリ / シイラ / 移動経路 / 海洋環境 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、疲労度という新たな視点から、海鳥の戦略的行動や、行動の可変性を解明する。さらに、これまで別々に研究されてきた、海洋環境・採餌行動・運動生理・繁殖成績の統合的な関係解明に挑む。そのために、野生の海鳥に対して、動物装着型の小型記録機器による行動記録と、ヒトの医療分野やスポーツ科学で疲労度の指標として利用されている酸化ストレス計測を実施する。記録した行動と、酸化ストレス値の関係を明らかにすることで、周辺の海洋環境や、自身の疲労度に合わせた海鳥の行動などを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
海鳥であるオオミズナギドリを対象に、日本海に位置する新潟県粟島で8月から10月上旬にかけて野外調査を行なった。育雛中の19個体を捕獲し、採血および体重計測を行なった後に、GPSと加速度を記録する小型記録機器を海鳥の背中に装着し、放鳥した。放鳥1日から17日後に15個体を再捕獲し、2回目の採血と小型記録機器の回収を行った。また、個体の体の大きさを記録するために、外部形態計測を行なった。採血を行わないコントロール群26個体に対しても、小型記録機器の装着および回収を行い、各個体から2週間程度の行動データを取得した。また、個体群の繁殖成績を記録するために、雛19個体の体重および外部形態の計測を5日おきに行った。 また、これまでの野外調査により蓄積されてきた合計11年間分のデータを用いて、海洋環境と海鳥の行動・繁殖の関係解明に取り組んだ。その結果、親鳥は海表面水温で示される餌利用可能性が高い場所をよく利用していること、また、繁殖成績が低い年には親鳥は餌利用可能性が高い場所をよく利用していることを示した。海鳥が周辺環境や繁殖状況に合わせて柔軟に採餌行動を行うことを示した本結果を、学術論文にまとめ、査読付き国際学術雑誌(Animal Behaviour)に投稿・発表した。さらに、オオミズナギドリと、オオミズナギドリの餌である小型魚類のカタクチイワシ、オオミズナギドリと餌をめぐって競争する可能性がある大型魚類のシイラとの関係を明らかにした。海鳥が周辺環境に応じて戦略的に採餌を行なっていることを示唆したこの結果は、現在査読付き国際学術雑誌に投稿中である。また、国際学会(The 8th International Bio-Logging Science Symposium)にて口頭発表を行った。 以上より、当該研究は研究計画を上回る研究の進展があったと言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)