インドール由来の不安定中間体を活用した多環式天然物の合成研究
Project/Area Number |
22KJ1578
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Project/Area Number (Other) |
22J15523 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 宏明 名古屋大学, 創薬科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アゾメチンイリド / ニトロン / 1,3-双極付加環化反応 / 天然物の合成研究 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ニトロフェニル基と共役した反応性の高いオレフィンと環状アゾメチンイリドを用いた分子内1,3-双極付加環化反応によって含窒素多環性骨格の構築を行う。そして、確立した骨格構築法をインドールアルカロイドの全合成へと適用し、その誘導体や類縁体、様々なStrychnos/Aspidospermaアルカロイドといった有用分子の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、骨格構築前駆体の合成と骨格構築反応の検討について報告したが、活性種であるインドレニンの発生や側鎖上での脱水縮合には成功したものの、基質の安定性の低さや、アゾメチンイリドではなくエナミンの生成が優先することに伴う副反応が問題となった。そこで、基質の安定性向上とエナミンへの異性化を抑制することを目的に新たな骨格構築前駆体を設計した。インドレニン部位をニトロフェニル基を有するエノンに変更し、側鎖上のアルデヒドを不飽和アルデヒドに変更した。そして、新たな前駆体から想定中間体であるイミンをTFA塩として単離することに成功した。得られたイミンを塩基性条件に付すことでアゾメチンイリドを発生させたところ、基質の損壊や二量化が進行するのみであった。また、エノンを還元して分子の自由度を上げた基質を用いても所望の反応は進行しなかった。 新たな合成計画を考えるにあたり、コプシユンナニンLが有する2-アザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格に着目し、8員環ニトロンを用いた分子内1,3-双極付加環化によって骨格構築を行うことにした。既知のシリルエーテルから数工程の変換を経て、ヒドロキシルアミン部位を有する不飽和アルデヒドを合成した。そして、酸性条件下で8員環ニトロンを形成した後、分子内1,3-双極付加環化を進行させることで所望の骨格を構築した。続いて、エキソオレフィン部位を酸化開裂によって生じるケトンを経由してトリフラートへ変換し、鈴木-宮浦カップリングによりニトロフェニル基を導入した。そして、トリエチルホスファイトを用いた還元的環化によりインドール部位の構築に成功した。これにより、8員環ニトロンを用いる合成戦略がインドールアルカロイドの合成に展開できる可能性が示され、本研究により得られた知見はコプシユンナニンLを含む様々なインドールアルカロイドの合成研究に大いに役立つことが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)