Microscopic damage mechanisms focused on analogy between heat transfer properties and bonding strengths at composite interfaces
Project/Area Number |
22KJ1603
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Project/Area Number (Other) |
22J22823 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤田 涼平 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ロックインサーモグラフィ / CFRP / 疲労特性 / 熱拡散率 / 比熱容量 / 非破壊検査 / 炭素繊維 / 熱物性 / 界面熱抵抗 / 疲労評価 |
Outline of Research at the Start |
炭素繊維強化複合材料(CFRP)は水素タンクなどの耐疲労特性が強く要求される構造へ広く普及することが予測されている.持続可能な社会の実現にはCFRPの疲労特性を解明し,寿命を延伸することが急務である.本研究は炭素繊維と樹脂の界面結合力と熱伝搬特性(界面熱抵抗)のアナロジーに着目し,はく離が発生する以前の結合力低下現象を捉える.具体的にはロックインサーモグラフィによる非接触かつ高感度な熱伝搬特性評価手法を新たに確立し,疲労試験との相互評価から微視的疲労損傷の定量化を図る.これにより従来の非破壊検査法では困難であった疲労破壊の前駆現象が観測可能となり,余寿命の推定と設計寿命の延伸に貢献する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では炭素繊維強化複合材料(CFRP)における疲労初期の剛性低下・損傷進展の前兆を熱伝搬・熱力学特性の微小変化によって定量化することを目的とする.前年度は炭素繊維と樹脂の界面熱抵抗が疲労負荷によって増加する可能性をCFRP積層板レベルでの熱拡散率低下によって示した.今年度はCFRPの熱物性のうち,比熱容量に着目し測定を実施した.比熱を決定づける分子鎖の自由度は,分子鎖の切断によって増加すると考えられる.またその切断数はエポキシ樹脂内の自由体積量と相関があると考えられる.すでに疲労負荷によってCFRPの自由体積が増加することは数例報告されている.そのため疲労試験片の比熱容量測定理論を新たにロックインサーモグラフィ法に適用させ,疲労負荷回数と比熱容量の相関を評価した.エポキシ樹脂単体における疲労負荷回数による比熱容量変化を評価したところ,4.9%の増加が認められた.またCFRP積層板の負荷回数による比熱容量変化を追ったところ,最大8.6%の増加が確認された.また今年度は熱損失を低減させるため大型真空チャンバーの設計・導入,および加熱強度の均一化のためモードミキサーを含むファイバーレーザー光学系を構築した.本成果は論文誌および国際学会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた炭素繊維と樹脂間の界面熱抵抗に着目した疲労損傷評価については,前年度の積層板単位のマクロスケールな熱拡散率評価によって,界面熱抵抗が増加する傾向を間接的に捉えた.一方で本着眼点は樹脂自体の損傷にフォーカスしていない.今年度は疲労負荷によるエポキシ樹脂内の微小損傷発生量を定量化するため,マトリックス樹脂およびCFRP積層板を対象とした熱容量測定理論を構築した.また測定の再現性を確保するため,真空チャンバー内で疲労試験片を測定可能な透過型測定系の構築も完了した.疲労試験と熱容量測定の交互実施により,負荷回数に依存した上昇傾向を捉えた.一方で熱容量絶対測定法では熱入力量や輻射熱量の絶対値が測定精度に影響するため,測定環境の再現性を確保しなければならず疲労負荷による上昇量を不確かさが上回ってしまう可能性がある.現状では新たに測定環境に依存しない計測法を構築中であり,課題点に対する対策が進んでいる.一定の成果を確認できている点,かつ課題に対する方策が決定している点で研究の進捗は順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
測定環境に依存しない計測法の構築および疲労試験片への適用を検討している.これにより再現性が疲労負荷による変化量を下回る測定系を構築する予定である.またロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法による熱容量測定では,真空下での測定においても周囲物体からの輻射光によって測定対象に温度変動が生じる.熱容量に温度依存性があるため,測定対象の絶対温度も一定にする必要があり,精密温調下での評価が欠かせない.今後は測定筐体を設置し,精密温調機を導入して室温変動を抑制し,温度制御下での計測を実施する予定である.加えて,複合材料中の熱伝搬シミュレーションを複合材料モデリング手法およびANSYS FEMを用いて実施する.損傷部分をモデル化し,マクロスケールでの温度応答および熱物性値を数値解析的に算出する.これにより実際にロックインサーモグラフィ式周期加熱法が観測できる損傷のサイズ,樹脂の疲労損傷以外にマクロスケールな損傷が存在した場合の測定法の感度等を評価する.
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)