身体/脳による「心」の共創 -リズム同調課題を用いた生理心理学的研究-
Project/Area Number |
22KJ1607
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Project/Area Number (Other) |
22J23164 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 健太 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ダンス / 音楽 / 内受容感覚 / 外受容感覚 / タッピング |
Outline of Research at the Start |
前年度は、内受容信号が外的リズムへの同調運動時には、阻害信号として働くという研究結果が得られた。しかし、この研究は相関分析に留まり、結果の解釈にもまだ余地がある。そこで、今年度は、実験条件をより操作することで、この解釈にお妥当性を検討する。被験者の心臓の収縮期・拡張期に合わせてメトロノームを提示し、それに合わせてリズム運動を行なってもらう。収縮期は、ヒトが主観的に心臓の拍動を知覚する時間と言われている。そこで、申請者の仮説が正しければ、収縮期に提示されたメトロノームへの同調精度は拡張期に提示されたものよりも劣ると考えられる。さらに上記の実験後に、fMRI計測の実験準備へと移る予定ある。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、ダンスなどのリズムへの同調運動と内受容感覚の関連を探ることを主たる目的としている。特に、音楽などの外受容信号に沿った行動時における心拍という内受容信号がどのような影響を持つのかを検討している。 本年度の研究実績としては、まず昨年度に行った第1実験の結果を論文としてまとめ、国際誌に投稿、受理された。この実験1では、内受容感覚が鋭敏な被験者はダンスなどのリズム同調運動が苦手であることが示唆された。つまり、ダンスなどをするときには内受容感覚と外受容感覚は拮抗的な関係性にあることが考えられた。内受容感覚の研究領域では、内受容感覚の鋭敏さは他の認知機能の高さと相関を示すことが多い。そのため、研究計画当初は、内受容感覚が鋭敏な被験者はリズム同調運動も得意であると考えていた。しかし、実験1では予想に反した結果が得られた。これは、内受容感覚は多くの先行研究のように必ずしも他の認知機能を高めるわけではないという知見をもたらすものである。 そこで、本年度では、実験1から生じた、「内受容感覚と外受容感覚が拮抗関係にあるのか」という仮説の妥当性を検討するために、第2実験を行った。すでに実験は終了し、論文投稿の準備をしている。 第1・第2実験と順調に進んでおり、これらを踏まえて第3実験の計画も行った。第3実験では脳活動を同時計測することで、神経活動の観点からも内受容感覚と外受容感覚の関連を探ることを狙う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は非常に順調に進んでいる。実験1では、予想に反した結果が得られたため、実験2は当初想定していた実験とは異なる実験を行った。しかし、実験計画の変更が生じたにも関わらず、実験実施のペースは予定通りである。また、この研究から得られている結果は、当初の仮説と反するものであり、これまでの当該研究領域の文脈からしても非常に新規性が高いと思われる。そのため、実験のペースと結果の質の両点から考えるに、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1・2では、行動実験と心拍データの記録解析を主として実験を行ってきた。行動実験により、内受容感覚と外受容感覚の拮抗関係はある程度、明らかとなった。しかし、実際にヒトの脳内においてどのように、内受容感覚と外受容感覚が拮抗しているのかは調べられておらず、推察の域である。 そこで、今後の研究方針としては、脳波計測を併用することで実験1・2の結果から考えられる内受容感覚と外受容感覚が拮抗するプロセスの検討を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)